DNAに刻まれた“花見と日本酒”の組み合わせ。

ソメイヨシノの歴史は浅く、驚きの事実があった。

待ちに待った桜の季節です。

今年は全国のトップを切って、
3月20日に長崎で開花。

翌日以降、九州や中四国、関西、東京
のさまざまなお花見スポットで
開花が確認され、こののち
桜前線は徐々に北上していきます。

異常気象が叫ばれる昨今ですが、
今年の桜の開花は例年から
大きくずれることもなく、
平年並みか平年より早い傾向。

満開時期は早いところで3月27日
あたりと予想されているので、
このコラムを皆さんが読まれる頃が
ちょうど満開宣言が出はじめる頃
と重なります。

さて、桜の開花、満開はどのように
決められているのでしょうか。

気象庁が定めた全国58地点の
桜の標本木を観測して
開花予想や宣言を行っています。

この標本木で“5~6輪以上の花が
開いた状態になった最初の日”
が桜の開花日です。

実際には沖縄、奄美以外の53地点
での予想(沖縄の開花は1月頃で、
予想発表の前に開花するため)。

また、標本木のほとんどが
「ソメイヨシノ」ですが、
沖縄・奄美エリアは「カンヒ桜」、
北海道中部以北は「エゾヤマ桜」
が標本木に定められています。

また、標本木で
“約80%以上のつぼみが開いた
状態になった最初の日”が、
その地区の桜の満開日です。

日本を代表する桜とされる「ソメイヨシノ」、実はクローン植物。

クローンと聞いて、
少し驚きを隠せませんが、
園芸分野で古来より行われてきた
「挿し木(さしき)」や
「接ぎ木(つぎき)」は、
いわばクローンの元祖ともいえる
手法と聞いて、納得です。

ソメイヨシノの起源とされるのは、
江戸時代に染井
(現在の東京都豊島区)の植木屋
が「吉野」という名前で
売り出した桜の植木。

その名前から、奈良・吉野山の山桜と
混同されやすいということで、
明治33年に「染井吉野」と改称され、
現在は「ソメイヨシノ」とカタカナ
表記されるようになりました。

当時の園芸家が苦労を重ねて結果、
“エドヒガンザクラ(母種)”と
“オオシマザクラ(父種)”を
交配させたものであることが、
その後の遺伝子解析により
判明しています。

遺伝的に、ソメイヨシノ同士では
種子が発芽せず、
自然交配で子孫を増やすことが
できない園芸品種です。

その上、仮に交配して育った場合でも
、同じ遺伝形質が発現しないという
やっかいな遺伝的性質を
併せ持っています。

つまり、私たちが慣れ親しんでいる
ソメイヨシノとは異なる形質に
育ってしまうことになります。

そうした理由で、原木を元に
接ぎ木を行ったものが、
全国各地に広がりました。

現在、日本中に植えられている
ソメイヨシノは、すべて
同じ遺伝子をもつクローンなのです。

もし、人の手を加えた繁殖を
一切行わなかった場合、
ソメイヨシノは、絶滅の危機に
瀕することになるでしょう。

1年にわずか2週間程度しか
咲かない“花”ですが、
心安らぐ貴重なこの時期を
日本全国が待ち望んでいること
を考えれば、ソメイヨシノを
ずっと永く維持し続けて
いただきたいものです。

 

日本スタイルの“花見”は、日本独自の風習。

花見の歴史をひも解くと、奈良時代の貴族の行事にまでさかのぼります。

桜以外にも、梅や桃なども
花見の対象とされている
のですが、花見といえば、やはり桜。

短い時期に一斉に咲き乱れ散っていく
“儚さ”が日本人の大切にする
“潔さ”を彷彿とさせたり、
ちょうど季節の変わり目
ということもあって、
桜の花見が「春の風物詩」として
深く認識されているようです。

日本の花見につきものなのが、
桜の木の下で繰り広げられる大宴会。

花見の歴史は古いとはいえ、
花見の風習が広く庶民にまで
広まっていったのは
江戸時代になってからのこと。

人々は、この季節になると、
花見弁当と日本酒を持ち寄って、桜の
木の下に集まるようになりました。

このあたりから、日本人のDNA
のなかに、桜と日本酒の組み合わせが
刻まれていったように感じられます。

春先にソワソワしだすのは、
古来より受け継がれた“血”
なのかもしれません。

日本では当たり前のように
慣れ親しんだ“お花見”ですが、
日本を訪れた外国人
にとっては驚きの光景。

桜そのものは海外にも多生して
いますが、花見での宴会という
スタイルがあまりありません。

というのも、海外の多くの国では、
屋外でお酒を飲むことが
法律で禁止されていたり、
公共の場での食事ができない
などの理由が挙げられます。

さらに、みんなが持ち寄る花見弁当
のレベルの高さも羨望の的。

海外ではピクニックにでかけ、
サンドイッチやクッキーを食べる程度
のことらしく、がっつりと飲食を
楽しむことなど、
ほとんどありません。

また、一部の不届きものを除いて、
全般的な治安の良さや
公共マナーの良さもあって、
老若男女が楽しめる和やかさも
外国人が羨む大きなポイント。

この時期に訪日した外国人は、
瞬く間に花見の楽しさの虜となり、
“日本に行くなら花見の季節に”
とSNSで発信。

日本の花見は、
“HANAMI”として、
口コミを中心に、
より広く拡散されています。

昔から伝わっている
「花見と日本酒」
という最強のタッグ。

新しい元号になったお祝い
も兼ねて、親しい仲間と久しぶりに
集うのもいいのではないでしょうか。

満開の便りは、
すぐそこまで届いています。

旅立ちの季節、日本酒で乾杯。

儚く、切ない“春”だけど、なんとなく心温まる季節。

春は旅立ち、別れの季節。

大学を卒業して新社会人に、
人事異動で知らない土地に転勤など、
大きな人生の岐路を迎える機会が多い
のが、この「春」という季節です。

ここ数年、離婚が一番多い月が3月。

2位の月が毎年変動する中、
不動の1位を保っています。

“年度が変わる”“子どもの巣立ち”
などの理由が多いようですが、
やはり春は、別離の季節
といえるのでしょうか。

ところで、「君の膵臓をたべたい」
という作品をご存知でしょうか。

「第13回本屋大賞(2016年)」
で2位に輝いた「住野よる」の
ライトノベルで、この作品の
背景モチーフとなるのが「春」です。

ホラー作品かと見まがうような
衝撃的なタイトルですが、内容は、
心を揺さぶる青春恋愛小説
といったところ。

原作に、それぞれオリジナルアレンジ
を加えたコミカライズ(漫画化)、
実写映画化、アニメ化とさまざまな
メディアスタイルに展開され、すべて
大ヒットというから驚くばかりです。

「キミスイ」と略され、SNSなどの
ファンサイトで、それぞれの作品を
推す活発な交流が行われていたことも
人気に拍車をかけたようです。

意見は分かれると思いますが、
心にストレートに届きやすいのは、
リアルな映像で物語を魅せる映画版
ではないでしょうか。

とくに映画版は、舞台を12年後
に移し、現在と過去を回想により
つなぐ構成に。

よりドラマチックに進行される
脚本が功を奏して、2017年度に
公開された邦画ランキング第2位、
興行収入30億円超えという
大ヒットを記録しました。

物語は、人と接するのが苦手で孤立
しがち、読書だけが楽しみという
主人公の“僕”こと「春樹」が、
クラスの人気者で天真爛漫な女子
「桜良」の日記を偶然読んで
しまったことを軸に展開します。

彼女が重度の膵臓疾患をもつこと
を知る数少ない友人として、
“彼女が死ぬまでにやっておきたい
こと”をかなえるために、
僕と彼女の交流がはじまりました。

“好き”とか“愛している”などの
言葉のやり取りがなく、お互いが
名前で呼び合うことすらないのに、
ほのかな恋愛感情が時折見え隠れする
ところに、一般的な恋愛ドラマ
ではないことがうかがい知れます。

場面を彩る桜のシーンや
主人公二人の名前など、
いたるところに「春」のイメージ
が寄り添っているのが印象的。

スクリーンを通して、ぽかぽかとした
春の暖かさすら感じさせられます。

巧みな心の動きや台詞まわしを
通して、“別れの悲しさ”ではなく、
“旅立ちの儚さ”“別れの切なさ”
が見事に描かれた作品に
仕上がっています。

 

時間を気にしない“家飲みパーティ”が流行っています。

小説や映画に限らず、春に訪れる
“別れ”の場面はさまざまです。

現実は映画のようにドラマチック
とはならず、意外と普通。

死別しない限り、“永遠の別れ”とは
ならないようで、その気にさえなれ
ば、毎日のようにスマホを通じて
会話ができるなど、距離感を
感じさせない付き合いも
可能といえるでしょう。

4月からの新しい生活に向け、
できるなら明るくお別れを
告げたいものです。

飲食店は時間制限もあり、周囲に
別のお客さんグループも居られる
ので、じっくりと別れを惜しむ
のなら、最近流行っている
「家飲み」がおすすめです。

新社会人になる子どもの巣立ちには、
慣れ親しんだ“おふくろの味”を肴に
、思い出話と一緒に、
家族みんなで楽しく飲み明かす
のも、心に刻まれる大切な時間。

二十歳を過ぎてお酒の味を覚え
はじめた子どもと、差し向かいで
じっくりと酒を酌み交わすことで、
“親子”から“大人同士”の付き合い
に変わる、嬉しい儀式の瞬間
といえます。

また、転勤や退職で、遠くの土地に
転居する、気のおけない友人や
職場仲間との別れには、
「持ち寄りパーティ」など
いかがでしょうか。

土曜日の早い時間に仲間が集い、
持ち寄った料理に舌鼓。

肉やソーセージを買ってきて
バーベキューに興じるのも、
より強い仲間意識を芽生えさせて
くれるに違いありません。

みんなの笑顔がこぼれる
和やかに過ごす時間は、
この先の長いお付き合いの
予感さえします。

菊正宗 天使の吐息

そんな腹を割ったシーンにおすすめ
なのが、スパークリング
純米大吟醸酒「天使の吐息」です。

開栓してグラスに注いだ
シュワシュワ感は、シャンパン
のような上質な発泡感。

甘い飲み口なので、
ついついグラスがすすみます。

清涼感を愉しんだ後は、
美味しいコクと深い香りを醸す、
沈殿したオリの「うすにごり」で、
もう一興。

1本で2度楽しめるおトク感が
嬉しい限りです。

ライト感覚の日本酒なので、
入門用のお酒にはピッタリ。

菊正宗 思いを伝えるネオカップセット

併せてご用意いただきたいのは、
菊正宗の「ネオカップシリーズ」。

「超特撰 生酛大吟醸」
「上撰 純米酒 香醸」
「上撰 樽酒」
「清酒 しぼりたてギンカップ」
「リキュール すだち冷酒」
それぞれ180㎖入りで
5種類をラインアップ。

利き酒による味くらべで、
別れを惜しむひとときを。

宴もたけなわとなる頃には、
ほろ酔い加減もピークに。

楽しい“別れの盃”は、
きっと良い思い出として、
深く心に刻まれるはずです。

春は、別れの季節であると同時に、
別れた数と同じだけの
新しい出会いの季節ともいえます。

家族や古い友人たちとは必ず訪れる
再会を誓い、後ろを振り返る
ことなく、新しい出会いに
乾杯したいものですね。

日本酒と肴で紡ぐ、震災復興への願い。

東日本大震災から8年、阪神・淡路大震災から24年。

間もなく、悲しい記憶となった
3月11日が訪れます。

何事もなかった日常が、突然の出来事
によって一変しました。

平成23年(2011年)の
東日本大震災発生から8年を迎える
いま、少しでも早く元通りの街の姿に
戻れるよう願うばかりです。

24年前の1995年1月17日、
阪神・淡路大震災で被災した菊正宗
では、それぞれの被災地の復興
への想いを込めて、神戸と東北の
“味”を紡ぐ銘酒と名産のセットを、
この3月にご提供させていただきます。

菊正宗からは、“幻の酒”とご好評を
いただいている特別純米原酒
「兵庫恋錦」をラインアップ。

限られた期間に限られた数しか
市場に出回らないというレア感で、
“幻”と称される側面もありますが、
“幻”とされる本当の理由は、
その酒米にあります。

特別純米原酒「兵庫恋錦」は、
気候や土壌などの酒米づくりに適した
兵庫県・吉川地区の限られたエリア
だけでしか栽培されていない、
希少性の高い品種「兵庫恋錦」
を使ったお酒です。

お酒と同じ名前を冠した“幻の酒米”
を、贅沢にも100%使用した菊正宗
のおすすめの自信作といえます。

幻の酒米「兵庫恋錦」は、
酒米の王者・山田錦の遺伝子を継承
する酒米で、菊正宗と契約農家である
「嘉納会」との120余年以上続く
信頼関係によって、菊正宗のためだけ
に専用栽培されている貴重な酒米。

お米自体が柔らかくてデリケートで、
仕込みの難易度は高く、
高度な技術を要します。

精米工程から手間ひまをかけて
、菊正宗自慢の“幻の酒”を
完成させました。

口に含むと同時に、
心地よい芳醇な香りが広がり
鼻へぬける上品な酒香と、
口全体に広がる力強く深い味わい、
喉越しのキレの絶妙なバランス
が最大の魅力です。

菊正宗が誇る、もうひとつの
特別純米原酒「超特撰 嘉宝蔵 雅」
との“のみくらべセット”も
ご用意致しましたので、
この機会にぜひお試しください。

さて、この菊正宗が誇る自慢のお酒に
合う、東北が誇る“酒の肴”には、
どんなものがあるのでしょうか。

東北で名を馳せる“酒の肴”に、太鼓判。

今回の目玉のひとつが、
東北地方の名産品として
名高い「ほや酔明」です。

その原材料となる海産物“ほや”は、
中部地方以西の西日本エリアでは、
馴染みが薄く、市場に出回る
こともほとんどありません。

“ほや”が穫れるのは
太平洋側の牡鹿半島、
日本海側の男鹿半島以北の近海で、
水揚げ量が多い石巻漁港のある
宮城県が全国シェアの約60%
を占めています。

主に東北地方での食用として流通
している理由は、その鮮度。

“ほや”のワタには独特の臭いが
あり、好みが分かれるところです。

鮮度が落ちると、異臭を強く発する
ので、首都圏あたりで出回るもの
の多くは鮮度が悪く、その臭いが
敬遠される元凶となっています。

とはいうものの、
首都圏に出荷されるようになったのは
近年になってからのこと。

とくに東日本大震災を境に、
ニュースなどで紹介される機会
も増え、新鮮な“ほや”も流通する
ようになり、鮮度の良いものは
寿司ネタなどに使われています。

そんな珍味中の珍味といえる“ほや”
ですが、宮城県石巻に本社を置く
水月堂物産が販売している
「ほや酔明」は、
“ほや”の入門に最適です。

東北新幹線の開業以来、車内の
ワゴン販売37年のロングセラー
大ヒット商品で、東北エリアでは
絶大なる知名度を誇っています。

“ほや”そのままの風味を生かした
珍味で、臭みなどを感じることなく、
ほのかに香るワタの匂いが、
美味しさを相乗させているよう
にも感じられるほど。

日本酒の肴としては、ベストマッチ
といえるのではないでしょうか。

キャラメルの箱のような個装は携帯
にも便利なおすすめの逸品です。

続いて紹介するのは、
復興支援から生まれた
岩手県生まれの「サヴァ缶」。

東日本大震災の被災地・三陸から
オリジナルブランドを発信しよう
という想いから誕生した洋風缶詰で、
缶にデザインされた
「Ça va?(サヴァ)?」は、
フランス語『元気ですか?』という
メッセージが込められています。

近年、缶詰のブームが顕著で、
本来の保存食という位置づけから、
美味しさを長期的に密封する
というグルメ要素に脚光が。

なかでも、全国各地で売り出される
「サバ缶」が人気ランキングの
トップに君臨しています。

今回ご提供する「サヴァ缶」は、
「オリーブオイル漬け」
「レモンバジル味」
「パプリカチリソース味」
の洋風テイスト3種類。

そのままでも美味しくいただけ
ますが、幅広く洋風レシピに活用
できるバラエティ豊かな味わい
が人気の商品です。

そして最後に登場するのが、
天童ハムで有名な
山形県風味堂が製造販売する
「炭火焼き風 焼きとりカルパス」
と「牛タン入り南蛮味噌サラミ」。

肉のマイスターとしての卓越した
“目利き”によるより選った素材を、
熟練の燻製職人が最高の商品に
磨き上げた洗練さが、食通の
肥えた舌に“王手”をかけます。

セット商品選定の試食会の際に、
多くの菊正宗社員がやみつき
となったおすすめの味わいは、ぜひ
お試しいただきたい“酒の肴”です。

菊正宗のテレビCMで有名なフレーズ
の、「旨いものを見ると、
キクマサが飲みたくなる。
辛口のキクマサを飲むと、
旨いものが食べたくなる」。

まさに、この台詞を実現した
今回のセット商品。

数量限定セットもあるので、
売り切れる前に、お早めに
お買いお求めくださいませ。

春を告げる「イカナゴ」と日本酒の新酒「しぼりたて」。

菊正宗 いかなご

春待ち「イカナゴ漁」と「イカナゴのクギ煮」

立春を過ぎたあたりから
厳しい寒さも少しやわらぎ、
ときおりのぞく暖かい日差しに、
間近な春の訪れを
肌に感じる季節となりました。

春の風物詩のひとつとして、関西、
とりわけ神戸地域で盛んな
「イカナゴのクギ煮」と呼ばれる
郷土料理が有名。

イカナゴのクギ煮は、神戸の西に位置
する“播磨灘”の垂水沖や明石沖で
穫れる“新子”と呼ばれる
イカナゴの稚魚を、醤油、
砂糖(ざらめ)、みりん、生姜などで
甘辛く煮詰めた佃煮です。

クギ煮の材料となるイカナゴは、
日本全国に分布する
スズキ目イカナゴ科魚類に属する魚で
、漢字で「玉筋魚」と書くのは、
泳ぐ姿が“玉”のように群れて、
“筋”のような魚姿から
きているとのこと。

英名「sand lance(砂の槍)」は、
水温が高くなる夏には砂に潜って
夏眠する習性を表現したものです。

播磨灘の海底に産卵に適した砂地
があることから、兵庫県の水揚げ量
は全国の約5割を占めています。

クギ煮の本場となる神戸や明石近辺
では、イカナゴの稚魚を
「新子(シンコ)」、
東日本では「小女子(コウナゴ)」。

成魚になると、
神戸では「古背(ふるせ)」、
東北は「大女子(オオナゴ)」、
北海道は「女郎人(メロウド)」
などと、地域によって
その呼び名が変わります。

また、イカナゴという名前は、
どの魚の稚魚なのか判らなかったこと
から、“いかなる魚の子なりや”と
いう意味からきている説が有力です。

歴史をひも解くと、イカナゴ漁は
江戸時代前期にまでさかのぼります。

イカナゴのクギ煮の記述は
昭和10年(1935年)に発行された
神戸の料理人によるグルメ本
「滋味風土記」に、漁師がつくる逸品
“釘煎り(くぎいり)”として登場。

この頃は、一般の家庭料理ではなく、
加工業者による商品として紹介され、
その需要を超える分は
養殖魚用のエサにされていたという、
なんとももったいない時代でした。

こうした状況を大きく変えたのは、
地元の漁師の妻たちが所属する
漁協の女性部。

“漁師の家に伝わる
クギ煮の美味しさを広めれば、
イカナゴの需要も高まる”と、
平成元年(1989年)に調理方法を
教える講習会を初めて開催。

“誰もが失敗なくつくれる”
統一のレシピの研究を重ねる中、
口コミで広がった講習会への
参加者も増えていきました。

大きな転機を迎えたのは、
平成7年(1995年)の
阪神・淡路大震災の後。

漁協女性部の努力の成果もあり、
震災の復興支援のお礼として、
イカナゴのクギ煮を、お世話になった
全国各地へと贈ることが、
一挙に一般家庭に浸透しました。

各ご家庭で、
元となる統一レシピをアレンジし、
その家ごとに伝わる独自の味が
つくり出されていきました。

イカナゴは鮮度が命。

早朝に水揚げされたイカナゴの
新子を求めて、昼頃には
店頭に行列ができるほど。

家庭でつくる量も年を追うごとに
増えていきました。

2月末〜3月初旬あたりの
イカナゴの新子漁解禁から
約1ヶ月がシーズンですが、
小振りの新子が好まれるため、
解禁から約2週間が勝負。

この期間は、主婦にとって昼夜を
問わずイカナゴのクギ煮づくりに
精を出す、まさに苦行のような期間。

シーズン中に25キロから50キロを
炊き上げ、遠方の親戚や友人への
春の風物詩として配る強者主婦も
少なくありません。

 

日本酒にも春を告げる新酒「しぼりたて」があります。

イカナゴのクギ煮だけでなく、
日本酒にも春を告げる
お酒があります。

新酒しぼりたてです。

仕込みを終えて醪(もろみ)を搾った
後、火入れ(低温加熱殺菌)瓶詰め
したのが新酒「生酛しぼりたて」で、
“今が旬”のしぼりたてらしい、
フレッシュな荒々しい味わいと
鮮烈な香りが癖になると
販売即完売の人気のお酒。

菊正宗では、新酒「生酛しぼりたて」
の本醸造と大吟醸を期間および
数量限定で販売しています。

菊正宗 生もとしぼりたて

菊正宗 大吟醸しぼりたて

売り切れる前に、春ならではの
美味しさを楽しみたいものです。

ここ数年、
播磨灘の海底の砂が流されて
イカナゴの産卵場所が狭まったり、
海水温度が上昇するなど、
イカナゴの生態系に影響を与える
さまざまな要因で、
イカナゴ漁は不漁続き。

魚の価格は、水揚げに比例して
キロ単価が決まる“時価”なので、
一般家庭に普及しはじめた頃と
比べると、キロ単価は約4倍にも
高騰し、以前ほど大量に炊く
ご家庭は減りつつあります。

菊正宗公式ネットショップでは、春を
いざなう新酒「生酛しぼりたて」と
「燻製いかなごくぎ煮」をセット
にして2月26日(火)注文分までの
期間限定販売中です。

菊正宗 生もとしぼりたて兵庫津樽屋五兵衛セット

こちらも売り切れる前に、
お早めにお求めください。

とくに、イカナゴ漁不漁の影響
を受け、「燻製いかなごくぎ煮」
をご提供できる
最後のチャンスかもしれません。

この機会をお見逃しなく。

2019年のイカナゴ新子漁
の解禁日は2月27日(水)。

この日を境に、
神戸の街のあちらこちらで、
クギ煮を炊く甘辛い匂い
が漂いはじめます。

匂いに春を感じ、できたての
イカナゴのクギ煮と新酒
「生酛しぼりたて」で春を味わう。

これほど贅沢な春の楽しみ方も、
なかなかオツなものです。

バレンタインデーに日本酒…これが新しい“恋”のスタイル。

バレンタインデーが浸透したのは、いつ頃?

バレンタインデーの起源は、
ローマ帝国が栄えた時代
にまでさかのぼります。

当時、2月15日は豊年を祈願する
「ルペルカリア祭」が
始まる日でした。

祭りの前日にあたる2月14日に、
女性は自分の名前を書いた札を
桶の中に入れ、翌日、
男性は桶から札を1枚引きます。

男性は引いた札に書かれた名前の女性
と、祭りの間のパートナーとして
一緒に行動すること
と定められていました。

というのも、当時若い男女は
別々の場所で生活していたため、
祭りは、男性と女性が
出会える数少ない機会。

祭りの間だけのパートナーだった
ものが、そのまま恋に落ちて
結婚することが多かったようです。

ローマ皇帝・クラウディウス2世は、
派兵している兵士の士気が下がる
ことを理由に婚姻を禁止。

その状況を見かねた
聖ウァレンティヌス(バレンタイン)
司祭が内緒で結婚式を行っていたこと
が皇帝の耳に入り、西暦269年に
聖ウァレンティヌス(バレンタイン)
司祭は処刑されます。

彼の処刑の日がルペルカリア祭の前日
であったことと、家庭と結婚を司る
神々の女王・ユーノーの祝日
であったことから、2月14日が
世界的な“恋人たちの愛の誓いの日”
になりました。

日本で最初に“バレンタイン”の記述
が登場したのは、
昭和11年の外国人向け英字新聞
「ザ・ジャパン・アドバタイザー」。

モロゾフ製菓による
“あなたのバレンタインに
チョコレートを贈りましょう”と
書かれた広告という説が最有力です。

“神戸が日本のバレンタインデー発祥
の地と判明した”とのことで、
1992年に聖バレンタイン殉教の地
であるイタリアのテルニ市から
神戸市に愛の像が送られたことが、
その説を決定づけています。

しかし、バレンタインデーが日本社会
に定着したのは、しばらく経った
1970年代後半になってからのこと。

菓子メーカーの販売促進としての
“女性から男性に対して、愛の告白
としてチョコレートを贈る”という
日本独自のバレンタインデー
スタイルが誕生しました。

ちなみに欧米諸国では、
“女性から男性へ”
“チョコレートを贈る”
という限定はされていません。

日本式のバレンタインデーは、時代
とともに独自の進化を遂げました。

女性が、好きな男性にチョコレートを
贈ることが「本命チョコ」
といわれるようになった背景には、
職場や友人に贈る“義理チョコ”があり
、男性が女性に贈る「逆チョコ」、
自分で買う「自己チョコ」など、
その振り幅は大きく広がります。

さらに、3月14日に
バレンタインデーのお返しを贈る
「マシュマロデー」が生まれ、やがて
「ホワイトデー」に変わるなど、
その進化はとどまるところを
知らないようです。

新しい告白スタイルは、一緒に過ごすこと。

いずれにせよ、
「バレンタインデー」は、
クリスマスに並ぶ一大記念日
として日本に定着しました。

バレンタインデーの
“気持ちを伝える”贈り物も
チョコレートという限定が
やや薄まってバラエティ豊かになり、
本来のバレンタインデーの概念に
近づいているようです。

こうしたなか、菊正宗でも、
まごころを伝える最適な
バレンタインギフトを
ご用意しました。

スパークリング純米大吟醸酒
「天使の吐息」です。

おめでたい席を彩る
シャンパンに変わる
新しいジャンルの日本酒
として話題の日本酒。

食前酒として開封直後の上質な
発泡感と清涼感を愉しみ、
ボトル半ばを過ぎたあたりから
深いコクと鮮烈な香りを奏でる、
沈殿したオリの「うすにごり」。

1本で2度楽しめる、菊正宗の
新しいジャンルとしてお客様からの
ご好評をいただいています。

菊正宗 天使の吐息

バレンタインデーに、素直な気持ち
と一緒に、純米大吟醸酒
「天使の吐息」を持参して、
得意の手料理で
グッと二人の距離を近づけましょう。

なかでも、長年連れ添ったご夫婦
なら、ご主人の好きなお酒の
プレゼントに会話も弾みます。

最後に、バレンタインデーとかけて
日本酒とときます。

そのこころは…どちらも
“チョコ(猪口)”がつきもの。

整ったところで、みなさまも、
ご自身の愛を“天使の吐息”
に乗せてお贈りくださいませ。