新しい元号「令和」と日本酒。

菊正宗 令和

新しい元号は、「令和」。

「令和」。
4月1日に新元号が発表されました。

現在の天皇陛下がご存命のまま退位
され、新しい天皇陛下が即位される
まで準備の期間もあり、
日本はおおむね祝賀ムードに
包まれています。

新元号の「令和」については
マスコミやネットで、
事細かに解説されているので、
ここではポイントだけを
かいつまんでおきます。

「令和」は、最初の「大化」
から数えて248番目の元号。

確認される限りでは、
日本の書物が出典となった
初めての元号です。

万葉集の「梅花の歌三十二首」
の序文にあたる
“于時 初春令月 氣淑風和
梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香
(初春の令月(れいげつ)にして、
気淑(よ)く風和ぎ、
梅は鏡前の粉を披(ひら)き、
蘭は珮後(はいご)の香を薫す)”
に含まれる
「令」と「和」からの典拠。

「令和」には、
“人々が美しく心を寄せ合う中で、
文化が生まれ育つ”という意味が
込められているとのことです。

引用元となった一節は、
太宰府長官だった歌人・大伴旅人が
開いた“梅花の宴”の際に詠まれた
32首の歌につけられたものとされ、
この歌が詠まれた太宰府天満宮
(福岡県)は“令和の聖地”として、
早くも賑わいを見せています。

海外の各種メディアでは、
「令和」について、
独自の解説を加えて紹介。

米紙ウォールストリートジャーナルは
、「”rei,” which can mean
auspicious(縁起が良い)
in traditional texts,
and “wa” meaning peace(平和)」。

米ブルームバーグ通信は、
「“order(秩序)” and
“peace(平和)”or
“harmony(調和)”」。

英BBCでも同じく
「“order(秩序)” and
“harmony(調和)”」と
英語に翻訳されて伝えられました。

それにもまして、7世紀から連綿と
“深い意味を持つ”元号が
続いていることへの
驚きの声がわき上がっています。

台湾で「令和」は、台湾語読みで
“こんにちは(你們好!)”を意味
するとともに、台湾の国花が梅
ということもあって熱烈な歓迎ぶり。

また、チベット語で“希望”を意味
する“re ba”と同音と、チベット
でも好意的に伝えられています。

さらに、令和のローマ字表記は
「reiwa」ですが、日本人の発音は
“leiwa”と聞こえるようです。

ラテン語圏で、
“leiwa”は“神からの贈り物”
という意味があり、
女性のファーストネームにも
使われる馴染み深い言葉だそうです。

国内外を問わず、
一部に批判的な意見もありますが、
“さまざまな意見が交わされる、
自由でおおらかな新しい時代の節目”
ととらえ、目くじらを立てない
ことが大人の対応。

できることなら、歓迎ムードに
水を差したくはないものです。

 

凛とした響きの「令和」にふさわしい日本酒が登場。

西暦以外にも、イスラム暦や仏歴、
ユダヤ暦などの紀元を起点として
数える紀年法はいくつかありますが、
元号と西暦を併用して使っている国は
世界にただひとつ、日本だけです。

だからこそ
“新元号の祝杯は日本酒で”というのが
理にかなったお祝いスタイル。

そこで、
新しい時代の幕開けにふさわしい、
新しい日本酒を2種類紹介します。

まずは、
元号が変わるタイミングでの乾杯。

日本酒の新ジャンルともいえる、
スパークリング純米大吟醸酒
「天使の吐息」は、
開栓直後のシャンパンのような
上質な発泡感と清涼感が、
“その瞬間”を厳かに
盛り上げてくれます。

微細な泡が立ち上るお洒落さと
甘い飲み口が女性層を虜にする
ばかりか、その後の美味しいコクと
深い香りを醸す沈殿したオリの
「うすにごり」は
日本酒通の男性層に大好評。

1本で2度楽しめる
おトク感が喜ばれています。

日本酒由来のスパークリングは、
まさにこのタイミングを
楽しむためのお酒といえます。

続いて、
凛とした響きの語感を持つ「令和」
を祝うのにふさわしい日本酒が、
4月15日に菊正宗から発売されます。

その名も「令和」。

全国各地で4万5000本の
限定販売予定です。

“長く続く元号の歴史”
を印象づける昔ながらの伝統製法
“生酛(きもと)造り”で醸した
大吟醸酒で、生のまま低温貯蔵し、
瓶詰めの際に一度だけ加熱処理
をしたきりっとした
飲み口の良いフレッシュな味わい。

“凛とした語感”“新しい元号”を
体感できる逸品に仕上がっています。

ラベルに躍る吉兆の象徴である鳳凰と
色鮮やかな菊の花に映える
華やかな朱色の“慶祝”の文字。

まさに、新しい時代の到来を祝うのに
ふさわしい日本酒の味わいと装い。

限定販売の記念ボトルなので、
早々に完売することが予測されます。

スパークリング純米大吟醸酒
「天使の吐息」と
超特撰慶祝大吟醸酒「令和」は、
品切れ必至、即買いのレア商品です。

今回のゴールデンウィークは、
一般的に4月27日(土)から
5月6日(月)までの10連休という
長期休暇で、元号が平成から令和に
切り替わるタイミングは、
ゴールデンウィーク真っただ中。

長い休みということもあり、
家族で海外旅行にというご家庭も
多いかと思いますが、できることなら
、新しい元号は、ぜひ日本で
乾杯していただきたいですね。

菊正宗の公式ネットショップですが、
誠に勝手ながら、
ゴールデンウィーク中は
お休みとなります。

ご注文の受付は行っておりますが、
5月7日(火)以降の順次発送となります。

新元号の祝杯にご利用いただく際は、
「令和」は4月24日(水)まで、
「天使の吐息」は4月22日(月)まで
にご注文くださいませ。

改元の祝杯は、ぜひ菊正宗の
スパークリング純米大吟醸酒
「天使の吐息」と
超特撰慶祝大吟醸酒「令和」で。

思い出深い記念の日として、
家族や仲間、
同じ時を過ごしたみんなの
心に刻まれること請け合いです。

 

盃を交わして距離を近づける「新入社員歓迎会」。

※イメージ画像です。

春とともに、フレッシュな顔が登場。

春の訪れとともに、新入社員が仲間に加わります。

さまざまな企業の“入社試験”
という関門をくぐり抜けた
選ばれた精鋭たちです。

入社後、会社の業務を経験して
いく中で、やがて学生気分も抜け、
夏頃には立派な社会人の顔つき
となってくることでしょう。

そして、この先の勤続約30年を
過ぎたあたりから、
現在の初々しい顔ぶれが会社を
動かす役員をはじめとする管理職に
名を連ねていくことになります。

業績不振により新卒雇用を見送ったり
、離職率の高い会社などでは、
将来を担う世代の空洞化に成り兼ね
ないため、優れた人材確保は
急務の課題といえるでしょう。

学生にとっても、就職は一生を決める
大切な節目となるため、
“個性が生かせる”企業の内定をとる
ために、早い時期からの情報収集に
躍起にならざるを得ない状況です。

こうした就職活動のひとつの指標
となるのが、文部科学省や厚生労働省
が発表する大卒就職率です。

2018年の就職率は98%を記録し、
1997年の調査開始以来、
3年連続で過去最高を更新。

高校卒業就職率も98.1%と8年連続で
高水準をキープしています。

高水準の就職率維持にもかかわらず、
昨年9月に経団連が、就職活動に
おける面接開始の時期などを定めた
“就活ルール”を2021年卒の
就活生を最後に廃止する意向
を表明しました。

この背景には、経団連に所属しない
外資系やベンチャーなどの
“就活ルールに縛られない”企業への
就職率が高まったことも
起因しています。

明確な就活のルールは
約70年前にまでさかのぼります。

1952年に
“大学4年の1月以降の就職選考”
を基準とする「就職協定」が
結ばれるものの
“罰則のない紳士協定”のため、
協定破りが横行。

採用の早期化による
「青田買い」は当たり前、
それよりも早い
「種もみ買い」まで登場。

バブル期には、
“他社の試験日に海外旅行に
連れて行く”
“入社準備金として現金を配布する”
など、優秀な人材を確保するために、
あの手この手で囲い込みが
行われました。

こうした協定の形骸化に伴って、
1996年に就職協定は廃止に。

それ以降も、さまざまな就職のルール
や規約が策定され、数年ごとに変わる
就活開始時期に翻弄される
就活生や企業の姿がありました。

会社の組織は、その時々の時代に
流行った、“売り手市場”
“買い手市場”“就職氷河期”
“ゆとり世代”“団塊ジュニア”
などのキーワード象徴される
幅広い世代が、同じ船に
乗っているようなもの。

それぞれの世代が、お互いを尊重して
、距離感を近づけることが、本来の
企業活動という“航海”に乗り出す
ために必要なことといえます。

 

新入社員歓迎会は、お互いの距離を縮める“場”。

こうした新しい顔と古参社員の距離
をグッと近づけてくれるのが
「新入社員歓迎会」の役割です。

歓迎会で大切なのはひとつだけ。

好意を持って“相手のことを、
良く知る”ことです。

確かに仕事のことを理解するため
に必要な“場”ではありますが、
ほとんどの話が仕事づくしでは、
気が休まりません。

それよりも、趣味や住んでいる所、
出身校などの、他愛もない話を
しているうちに、お互いの共通点
が見つかるはずです。

例えば、昨年大ヒットした映画
「ボヘミアン・ラプソディ」の曲を
クィーンが発表したのは
1975年のこと。

還暦を間近に控えた上司が
高校生時代に聴いていた曲です。

みんながよく知っている
漫画「ONE PIECE」が
連載を開始したのは1997年、
約20年前のことです。

広げられる話題は数多くあります。

“最近の若い奴は”
“年寄りは、頭が堅い”などの
固定概念に縛られていたのでは、
お互いの良い関係など
築けるはずもありません。

若い人達がこうした場を嫌うのは、
セクハラ、パワハラが蔓延した席に
なりがちなこともあるようで、
一部で「セ・パ交流戦」とも
揶揄されているようです。

“セ”はセクハラの“セ”、
“パ”はパワハラの“パ”
を意味しています。

逆に、宴席での愚痴を動画や画像と
一緒にSNSにアップする若者に
ありがちな行動については、
年配者が眉をひそめる要因のひとつ。

宴席でのスマホいじり
もいただけません。

お互いが、相手のことを気遣い、
少しだけ歩み寄ることが、
和やかな宴席にするための秘訣です。

宴席でつきものといえば
「お酌」です。

基本は“年少者から年長者へ”
“目下から目上の方へ”ですが、
新入社員歓迎会なので、
ここは歓迎の意味を込めて
“部署の上司から新人へ”と、
懐の広さを見せては
いかがでしょうか。

余談ですが、
お酌の際は手ぶらで移動し、
その席にあるお酒を注ぎます。

また、注がれたお酒は、
飲み干さないまでも、
必ず口をつけるのがマナーです。

日本酒をお酌する際は、
徳利を両手に持って注ぐのが基本。

テーブルにある盃に注ぐのは
「置き注ぎ」というマナー違反
なので、相手が盃を持ってから
注ぐようにしましょう。

 

異なる世代とはいえ、
これから一緒の方向へ
向かって進む仲間です。

先輩社員は惜しみなく
蓄積してきた“生き様”を見せ、
若い人たちは少しでも前に進む
“学ぶ姿勢”を見せることで、
その企業は大きく発展
していくように感じます。

DNAに刻まれた“花見と日本酒”の組み合わせ。

ソメイヨシノの歴史は浅く、驚きの事実があった。

待ちに待った桜の季節です。

今年は全国のトップを切って、
3月20日に長崎で開花。

翌日以降、九州や中四国、関西、東京
のさまざまなお花見スポットで
開花が確認され、こののち
桜前線は徐々に北上していきます。

異常気象が叫ばれる昨今ですが、
今年の桜の開花は例年から
大きくずれることもなく、
平年並みか平年より早い傾向。

満開時期は早いところで3月27日
あたりと予想されているので、
このコラムを皆さんが読まれる頃が
ちょうど満開宣言が出はじめる頃
と重なります。

さて、桜の開花、満開はどのように
決められているのでしょうか。

気象庁が定めた全国58地点の
桜の標本木を観測して
開花予想や宣言を行っています。

この標本木で“5~6輪以上の花が
開いた状態になった最初の日”
が桜の開花日です。

実際には沖縄、奄美以外の53地点
での予想(沖縄の開花は1月頃で、
予想発表の前に開花するため)。

また、標本木のほとんどが
「ソメイヨシノ」ですが、
沖縄・奄美エリアは「カンヒ桜」、
北海道中部以北は「エゾヤマ桜」
が標本木に定められています。

また、標本木で
“約80%以上のつぼみが開いた
状態になった最初の日”が、
その地区の桜の満開日です。

日本を代表する桜とされる「ソメイヨシノ」、実はクローン植物。

クローンと聞いて、
少し驚きを隠せませんが、
園芸分野で古来より行われてきた
「挿し木(さしき)」や
「接ぎ木(つぎき)」は、
いわばクローンの元祖ともいえる
手法と聞いて、納得です。

ソメイヨシノの起源とされるのは、
江戸時代に染井
(現在の東京都豊島区)の植木屋
が「吉野」という名前で
売り出した桜の植木。

その名前から、奈良・吉野山の山桜と
混同されやすいということで、
明治33年に「染井吉野」と改称され、
現在は「ソメイヨシノ」とカタカナ
表記されるようになりました。

当時の園芸家が苦労を重ねて結果、
“エドヒガンザクラ(母種)”と
“オオシマザクラ(父種)”を
交配させたものであることが、
その後の遺伝子解析により
判明しています。

遺伝的に、ソメイヨシノ同士では
種子が発芽せず、
自然交配で子孫を増やすことが
できない園芸品種です。

その上、仮に交配して育った場合でも
、同じ遺伝形質が発現しないという
やっかいな遺伝的性質を
併せ持っています。

つまり、私たちが慣れ親しんでいる
ソメイヨシノとは異なる形質に
育ってしまうことになります。

そうした理由で、原木を元に
接ぎ木を行ったものが、
全国各地に広がりました。

現在、日本中に植えられている
ソメイヨシノは、すべて
同じ遺伝子をもつクローンなのです。

もし、人の手を加えた繁殖を
一切行わなかった場合、
ソメイヨシノは、絶滅の危機に
瀕することになるでしょう。

1年にわずか2週間程度しか
咲かない“花”ですが、
心安らぐ貴重なこの時期を
日本全国が待ち望んでいること
を考えれば、ソメイヨシノを
ずっと永く維持し続けて
いただきたいものです。

 

日本スタイルの“花見”は、日本独自の風習。

花見の歴史をひも解くと、奈良時代の貴族の行事にまでさかのぼります。

桜以外にも、梅や桃なども
花見の対象とされている
のですが、花見といえば、やはり桜。

短い時期に一斉に咲き乱れ散っていく
“儚さ”が日本人の大切にする
“潔さ”を彷彿とさせたり、
ちょうど季節の変わり目
ということもあって、
桜の花見が「春の風物詩」として
深く認識されているようです。

日本の花見につきものなのが、
桜の木の下で繰り広げられる大宴会。

花見の歴史は古いとはいえ、
花見の風習が広く庶民にまで
広まっていったのは
江戸時代になってからのこと。

人々は、この季節になると、
花見弁当と日本酒を持ち寄って、桜の
木の下に集まるようになりました。

このあたりから、日本人のDNA
のなかに、桜と日本酒の組み合わせが
刻まれていったように感じられます。

春先にソワソワしだすのは、
古来より受け継がれた“血”
なのかもしれません。

日本では当たり前のように
慣れ親しんだ“お花見”ですが、
日本を訪れた外国人
にとっては驚きの光景。

桜そのものは海外にも多生して
いますが、花見での宴会という
スタイルがあまりありません。

というのも、海外の多くの国では、
屋外でお酒を飲むことが
法律で禁止されていたり、
公共の場での食事ができない
などの理由が挙げられます。

さらに、みんなが持ち寄る花見弁当
のレベルの高さも羨望の的。

海外ではピクニックにでかけ、
サンドイッチやクッキーを食べる程度
のことらしく、がっつりと飲食を
楽しむことなど、
ほとんどありません。

また、一部の不届きものを除いて、
全般的な治安の良さや
公共マナーの良さもあって、
老若男女が楽しめる和やかさも
外国人が羨む大きなポイント。

この時期に訪日した外国人は、
瞬く間に花見の楽しさの虜となり、
“日本に行くなら花見の季節に”
とSNSで発信。

日本の花見は、
“HANAMI”として、
口コミを中心に、
より広く拡散されています。

昔から伝わっている
「花見と日本酒」
という最強のタッグ。

新しい元号になったお祝い
も兼ねて、親しい仲間と久しぶりに
集うのもいいのではないでしょうか。

満開の便りは、
すぐそこまで届いています。

「本醸造酒」と「純米酒」の大きな違いは、アルコール添加。

ありがちな“醸造アルコール”の誤解。

日本酒の裏ラベルの原材料名に表記
されているのは、一部の商品を除いて
、「米」「米麹」、酒質によっては
「醸造アルコール」が
ここに加わります。

酒造りのために厳選した
“お米”と“米麹”、そして表記
されていない最適な“水”
というシンプルな原材料。

それらを選び抜いた後、酵母などの
微生物の力を借りて、醗酵による
熟成度合いの確認や厳密な温度管理
などの複雑で繊細な醸造工程を経て、
素材の持ち味を存分に引き出した
美味しいお酒が生まれます。

日本酒は、
醸造アルコールを添加しない「純米酒」
と醸造アルコールを添加した
「アル添酒(=アルコール添加酒)」
に分けることができます。

「アル添酒」は“醸造アルコール”を
加えているということから、
アルコールによる“水増し”と思われ
がちで、ここが大きな誤解を
生じさせている要因の ようです。

以前は、より安い清酒を製造するため
に、醸造アルコールで酒の量を増加
させ、製造コストの軽減を図る
場合もありました。

戦後、米が不足していた時代に生み
出された「三倍増醸酒(三増酒)」
と呼ばれる醸造方法で、
酒の量を三倍に増やしていたのです。

いまは、酒税法による厳格な管理の元
、三倍増醸酒は認められておらず、
米のみで造られたお酒と同じ量の
アル添が限度となります
(いわば、二倍増醸酒)。

「本醸造酒」は現在、醸造アルコール
は、醪(もろみ)への添加のみが許可
され、その添加量は白米重量の10%以下
という厳しい基準が設けられています。

具体的には、醸造アルコールを添加
することで、「醗酵をとめる」
「酒質を淡麗にする」
「香りを引き出す」
「火落ちしにくくする」などの効用
を期待するものです。

日本酒に用いられる醸造アルコール
(食用のエチルアルコール)はすべて
、酵母のアルコール醗酵により
つくられたもので、
95%以上のアルコール濃度に
蒸留された純度がかなり高いもの。

その原料は主として、サトウキビ、
イモ類などの植物由来です。

不純物がほとんどなく、日本酒の
風味を損なうことはありません。

醸造用アルコールが添加された日本酒
に対する、“粗悪で品質が悪い”
“悪酔いする”などの悪い思い込みは
、まったく根拠のない噂話に過ぎず、
“どのくらいの量を使って、
仕込みの香りを整えるのか”
“吟醸香と淡麗さのバランスをとる”
“狙い通りの酒質に仕上げる”などを
目的とした、非常に高い技術
を要する奥の深い工程といえます。

 

歴史に刻まれた“醸造アルコール”の足跡。

醸造用アルコール添加の歴史は古く、
江戸時代初期には確立されていた
という説が有力です。

芋や酒粕を醗酵させた醪からつくった
焼酎を、貯蔵桶に振り掛けたり、
醪に添加するなどが行われており、
これを「柱焼酎」と呼んでいました。

これは、当時の酒造りには欠かせない
工程のひとつとされていたことが
「童蒙酒造記」という
文献に残されています。

いまでいう
アルコール添加の走りです。

当時、柱焼酎は清酒の味を整える
ばかりでなく、火落ちを防ぐ
(火落ち菌の増殖を防ぐ)
ことが重要な課題のひとつ。

江戸の昔、醸造設備は現代のように
整っていないため、雑菌の増殖や
カビの繁殖による腐敗を防ぐことが
大きな役割だったと考えられます。

とはいえ科学などと無縁の時代、
数えきれない試行錯誤の末、
アルコール添加の工程が誕生
したものと、うかがい知れます。

ここ最近の純米酒ブームのあおり
を受けて、かたくなに
“純米酒以外は飲まない”という方も
おられますが、それはとても
もったいないこと。

日本酒の鑑評会に出展されるお酒に、
アルコール添加による大吟醸酒が多い
ということを、よく耳にします。

また、飲みくらべた時に、
純米酒より本醸造酒の方が旨みが深く
、香りが豊かに広がると感じる
という声も多くあります。

絶妙に“アル添”により整えられた
お酒は、“既成概念にとらわれて
触れようとしなかった”
日本酒の世界を、さらに大きく広げて
くれるのではないでしょうか。

日本酒は嗜好品で、好みは千差万別。

評論家の言葉に揺らぐことなく、
先入観を捨て、
自分の“舌”が美味しいと感じる
ものが、正解といえます。

そのためにも、
さまざまな日本酒を味わって、
“自分にとっての美味しいお酒”
に出会うことが大切です。

純米酒は美味しい、
本醸造酒も美味しい。

日本酒のマイスターになるための
修行をはじめてみませんか。

菊正宗上撰本醸造とお刺身

旅立ちの季節、日本酒で乾杯。

儚く、切ない“春”だけど、なんとなく心温まる季節。

春は旅立ち、別れの季節。

大学を卒業して新社会人に、
人事異動で知らない土地に転勤など、
大きな人生の岐路を迎える機会が多い
のが、この「春」という季節です。

ここ数年、離婚が一番多い月が3月。

2位の月が毎年変動する中、
不動の1位を保っています。

“年度が変わる”“子どもの巣立ち”
などの理由が多いようですが、
やはり春は、別離の季節
といえるのでしょうか。

ところで、「君の膵臓をたべたい」
という作品をご存知でしょうか。

「第13回本屋大賞(2016年)」
で2位に輝いた「住野よる」の
ライトノベルで、この作品の
背景モチーフとなるのが「春」です。

ホラー作品かと見まがうような
衝撃的なタイトルですが、内容は、
心を揺さぶる青春恋愛小説
といったところ。

原作に、それぞれオリジナルアレンジ
を加えたコミカライズ(漫画化)、
実写映画化、アニメ化とさまざまな
メディアスタイルに展開され、すべて
大ヒットというから驚くばかりです。

「キミスイ」と略され、SNSなどの
ファンサイトで、それぞれの作品を
推す活発な交流が行われていたことも
人気に拍車をかけたようです。

意見は分かれると思いますが、
心にストレートに届きやすいのは、
リアルな映像で物語を魅せる映画版
ではないでしょうか。

とくに映画版は、舞台を12年後
に移し、現在と過去を回想により
つなぐ構成に。

よりドラマチックに進行される
脚本が功を奏して、2017年度に
公開された邦画ランキング第2位、
興行収入30億円超えという
大ヒットを記録しました。

物語は、人と接するのが苦手で孤立
しがち、読書だけが楽しみという
主人公の“僕”こと「春樹」が、
クラスの人気者で天真爛漫な女子
「桜良」の日記を偶然読んで
しまったことを軸に展開します。

彼女が重度の膵臓疾患をもつこと
を知る数少ない友人として、
“彼女が死ぬまでにやっておきたい
こと”をかなえるために、
僕と彼女の交流がはじまりました。

“好き”とか“愛している”などの
言葉のやり取りがなく、お互いが
名前で呼び合うことすらないのに、
ほのかな恋愛感情が時折見え隠れする
ところに、一般的な恋愛ドラマ
ではないことがうかがい知れます。

場面を彩る桜のシーンや
主人公二人の名前など、
いたるところに「春」のイメージ
が寄り添っているのが印象的。

スクリーンを通して、ぽかぽかとした
春の暖かさすら感じさせられます。

巧みな心の動きや台詞まわしを
通して、“別れの悲しさ”ではなく、
“旅立ちの儚さ”“別れの切なさ”
が見事に描かれた作品に
仕上がっています。

 

時間を気にしない“家飲みパーティ”が流行っています。

小説や映画に限らず、春に訪れる
“別れ”の場面はさまざまです。

現実は映画のようにドラマチック
とはならず、意外と普通。

死別しない限り、“永遠の別れ”とは
ならないようで、その気にさえなれ
ば、毎日のようにスマホを通じて
会話ができるなど、距離感を
感じさせない付き合いも
可能といえるでしょう。

4月からの新しい生活に向け、
できるなら明るくお別れを
告げたいものです。

飲食店は時間制限もあり、周囲に
別のお客さんグループも居られる
ので、じっくりと別れを惜しむ
のなら、最近流行っている
「家飲み」がおすすめです。

新社会人になる子どもの巣立ちには、
慣れ親しんだ“おふくろの味”を肴に
、思い出話と一緒に、
家族みんなで楽しく飲み明かす
のも、心に刻まれる大切な時間。

二十歳を過ぎてお酒の味を覚え
はじめた子どもと、差し向かいで
じっくりと酒を酌み交わすことで、
“親子”から“大人同士”の付き合い
に変わる、嬉しい儀式の瞬間
といえます。

また、転勤や退職で、遠くの土地に
転居する、気のおけない友人や
職場仲間との別れには、
「持ち寄りパーティ」など
いかがでしょうか。

土曜日の早い時間に仲間が集い、
持ち寄った料理に舌鼓。

肉やソーセージを買ってきて
バーベキューに興じるのも、
より強い仲間意識を芽生えさせて
くれるに違いありません。

みんなの笑顔がこぼれる
和やかに過ごす時間は、
この先の長いお付き合いの
予感さえします。

菊正宗 天使の吐息

そんな腹を割ったシーンにおすすめ
なのが、スパークリング
純米大吟醸酒「天使の吐息」です。

開栓してグラスに注いだ
シュワシュワ感は、シャンパン
のような上質な発泡感。

甘い飲み口なので、
ついついグラスがすすみます。

清涼感を愉しんだ後は、
美味しいコクと深い香りを醸す、
沈殿したオリの「うすにごり」で、
もう一興。

1本で2度楽しめるおトク感が
嬉しい限りです。

ライト感覚の日本酒なので、
入門用のお酒にはピッタリ。

菊正宗 思いを伝えるネオカップセット

併せてご用意いただきたいのは、
菊正宗の「ネオカップシリーズ」。

「超特撰 生酛大吟醸」
「上撰 純米酒 香醸」
「上撰 樽酒」
「清酒 しぼりたてギンカップ」
「リキュール すだち冷酒」
それぞれ180㎖入りで
5種類をラインアップ。

利き酒による味くらべで、
別れを惜しむひとときを。

宴もたけなわとなる頃には、
ほろ酔い加減もピークに。

楽しい“別れの盃”は、
きっと良い思い出として、
深く心に刻まれるはずです。

春は、別れの季節であると同時に、
別れた数と同じだけの
新しい出会いの季節ともいえます。

家族や古い友人たちとは必ず訪れる
再会を誓い、後ろを振り返る
ことなく、新しい出会いに
乾杯したいものですね。