さあ、お待ちかね、菊正宗の蔵開きです。

“通”が楽しみにしている新酒「生酛しぼりたて」。

今年も、蔵開きの季節が訪れました。

毎年欠かさずこの蔵開きに
ご参加いただくお客様も多く、
杜氏や仕込みの現場スタッフを
はじめとする菊正宗社員一同は、
お客様の“生の声”をいただける
数少ない機会ということもあり、
会場内にこぼれるお客様の
笑顔や喜ばれる声を励みに
している社員も少なくありません。

その日を迎えるのが、
待ち遠しい限りです。

今年で第十四回目を迎える
蔵開きの開催日程は次の通りです。

  • 開催日時/平成31年2月23日(土曜日)の午前10時から午後3時(小雨決行)
  • 開催場所/菊正宗「嘉宝蔵」構内と菊正宗酒造記念館(福袋限定販売は近くの別会場)

丹波杜氏の技に支えられた
“寒造り”によるお酒の仕込みも、
そろそろ終盤を迎えます。

この時期に開催する蔵開きは、毎年
好評を博し、会場となる「嘉宝蔵」
構内や菊正宗酒造記念館は、
あふれんばかりの人で賑わいます。

毎年、人気の中心にあるのが、
新酒「生酛しぼりたて」の振舞酒。

仕込みを終えて醪(もろみ)を搾った
後、火入れ(低温加熱殺菌)を行い、
そのまま瓶詰めにしたのが
新酒「生酛しぼりたて」。

今年のお酒の出来を計り知ることが
できる、まさに“今が旬”の
しぼりたてらしい、フレッシュな
荒々しい味わいと鮮烈な香りが
癖になること請け合いです。

ちなみに、一般的な日本酒は、搾った
後に火入れを行って数ヶ月間
貯蔵・熟成させることで、お酒の角が
とれてまろやかな味と芳香をまとった
深いコクを醸し出します。

新酒「生酛しぼりたて」の振舞酒は、
その量に限りがあるので、
お一人様一杯限り。

なくなる前にご試飲ください。

飲みそびれた方には、
「生酛しぼりたて」の本醸造と
大吟醸の販売も行っています。

こちらも、期間、数量ともに限定
となっており、売り切れ必至です。

さらに、無濾過生原酒、兵庫県限定
先行販売の「百黙」など、お値打ちの
銘酒の有料試飲もご用意しております
ので、お見逃しなきよう。

 

菊正宗 蔵開き2018こも巻き

盛りだくさんのお楽しみイベントに堪能するひととき。

「嘉宝蔵」構内に設けた舞台では、
お楽しみいただける演目が目白押し。

技が光る「酒樽づくり」や
「菰巻き(こもまき)」の実演。

慣れた手つきで繰り出される
熟練の技術は、普段なかなか目にする
機会の少ない“匠の技”といえます。

舞台で披露される出し物も
バラエティ豊かなものばかり。

なかでも、「桂三度落語会」は、ぜひ
観ておきたい出し物のひとつです。

桂三度さんは六代目桂文枝師匠
(元・桂三枝)のお弟子さんで、
“3の倍数と3が付く数字のときだけ
アホになります”で一世を風靡した
ピン芸人「世界のナベアツ」が、
舞台から高座へと活躍の場を
移した現在の姿を披露します。

数々の舞台での経験が、その巧みな
話術に垣間見えてきます。

このほか、「懐かしの名曲カバー
ライブ」や「昭和レトロなちんどん屋
ハイカラパフォーマンス」など、つい
つい引き込まれる笑顔のひととき。

また会場内には、「粕汁やおでん、
たこ焼き」「吉川町うまいもん屋台」
「大起水産・生本まぐろの寿司と刺身
」などの屋台が軒を連ね、旨い酒と
旨い肴の競演を体験できます。

「酒蔵見学会」や「樽酒マイスター
ファクトリーの見学」も見所が満載。

普段、目にする機会がほとんどない
“酒造りの現場”は、新たな発見や
感動となって、きっと心に
刻まれることとなるでしょう。

内容盛りだくさんの密度の濃い
「蔵開きイベント」。

この日に合わせて体調を整え、
ぜひ皆さんお誘い合わせの上、
お越しくださいませ。

菊正宗 蔵開き2018

バレンタインデーに日本酒…これが新しい“恋”のスタイル。

バレンタインデーが浸透したのは、いつ頃?

バレンタインデーの起源は、
ローマ帝国が栄えた時代
にまでさかのぼります。

当時、2月15日は豊年を祈願する
「ルペルカリア祭」が
始まる日でした。

祭りの前日にあたる2月14日に、
女性は自分の名前を書いた札を
桶の中に入れ、翌日、
男性は桶から札を1枚引きます。

男性は引いた札に書かれた名前の女性
と、祭りの間のパートナーとして
一緒に行動すること
と定められていました。

というのも、当時若い男女は
別々の場所で生活していたため、
祭りは、男性と女性が
出会える数少ない機会。

祭りの間だけのパートナーだった
ものが、そのまま恋に落ちて
結婚することが多かったようです。

ローマ皇帝・クラウディウス2世は、
派兵している兵士の士気が下がる
ことを理由に婚姻を禁止。

その状況を見かねた
聖ウァレンティヌス(バレンタイン)
司祭が内緒で結婚式を行っていたこと
が皇帝の耳に入り、西暦269年に
聖ウァレンティヌス(バレンタイン)
司祭は処刑されます。

彼の処刑の日がルペルカリア祭の前日
であったことと、家庭と結婚を司る
神々の女王・ユーノーの祝日
であったことから、2月14日が
世界的な“恋人たちの愛の誓いの日”
になりました。

日本で最初に“バレンタイン”の記述
が登場したのは、
昭和11年の外国人向け英字新聞
「ザ・ジャパン・アドバタイザー」。

モロゾフ製菓による
“あなたのバレンタインに
チョコレートを贈りましょう”と
書かれた広告という説が最有力です。

“神戸が日本のバレンタインデー発祥
の地と判明した”とのことで、
1992年に聖バレンタイン殉教の地
であるイタリアのテルニ市から
神戸市に愛の像が送られたことが、
その説を決定づけています。

しかし、バレンタインデーが日本社会
に定着したのは、しばらく経った
1970年代後半になってからのこと。

菓子メーカーの販売促進としての
“女性から男性に対して、愛の告白
としてチョコレートを贈る”という
日本独自のバレンタインデー
スタイルが誕生しました。

ちなみに欧米諸国では、
“女性から男性へ”
“チョコレートを贈る”
という限定はされていません。

日本式のバレンタインデーは、時代
とともに独自の進化を遂げました。

女性が、好きな男性にチョコレートを
贈ることが「本命チョコ」
といわれるようになった背景には、
職場や友人に贈る“義理チョコ”があり
、男性が女性に贈る「逆チョコ」、
自分で買う「自己チョコ」など、
その振り幅は大きく広がります。

さらに、3月14日に
バレンタインデーのお返しを贈る
「マシュマロデー」が生まれ、やがて
「ホワイトデー」に変わるなど、
その進化はとどまるところを
知らないようです。

新しい告白スタイルは、一緒に過ごすこと。

いずれにせよ、
「バレンタインデー」は、
クリスマスに並ぶ一大記念日
として日本に定着しました。

バレンタインデーの
“気持ちを伝える”贈り物も
チョコレートという限定が
やや薄まってバラエティ豊かになり、
本来のバレンタインデーの概念に
近づいているようです。

こうしたなか、菊正宗でも、
まごころを伝える最適な
バレンタインギフトを
ご用意しました。

スパークリング純米大吟醸酒
「天使の吐息」です。

おめでたい席を彩る
シャンパンに変わる
新しいジャンルの日本酒
として話題の日本酒。

食前酒として開封直後の上質な
発泡感と清涼感を愉しみ、
ボトル半ばを過ぎたあたりから
深いコクと鮮烈な香りを奏でる、
沈殿したオリの「うすにごり」。

1本で2度楽しめる、菊正宗の
新しいジャンルとしてお客様からの
ご好評をいただいています。

菊正宗 天使の吐息

バレンタインデーに、素直な気持ち
と一緒に、純米大吟醸酒
「天使の吐息」を持参して、
得意の手料理で
グッと二人の距離を近づけましょう。

なかでも、長年連れ添ったご夫婦
なら、ご主人の好きなお酒の
プレゼントに会話も弾みます。

最後に、バレンタインデーとかけて
日本酒とときます。

そのこころは…どちらも
“チョコ(猪口)”がつきもの。

整ったところで、みなさまも、
ご自身の愛を“天使の吐息”
に乗せてお贈りくださいませ。

大寒と日本酒。

大寒2

寒い時期の慣習「寒仕込み」。

1年を春夏秋冬の
4つに分けるのが「四季」で、
24に分けるのが「二十四節季」。

さらに細かく72に分けたものが
「七十二候」です。

細かくなるにつれて、
季節はその時々の表情をより
具体的に表すことになります。

立春からはじまった二十四節季の最後
となるのが「大寒(だいかん)」です。

2019年の大寒の日は1月20日(日)。

大寒を期間としてとらえる場合は、
1月20日から2月3日となります。

ひとつ前の「小寒」と「大寒」の
約30日間を“寒の内”といい、
大寒の“日”はそのまん中にあたる、
1年でもっとも寒い日。

さらに細かい七十二候では、
次のように表現されています。

  • 大寒初候…款冬華(ふきのはな さく)/蕗の薹(ふきのとう)が蕾を出す
  • 大寒次候…水沢腹堅(さわみず こおりつめる)/沢に氷が厚く張りつめる
  • 大寒末候…鶏始乳(にわとり はじめて とやにつく)/鶏が卵を産み始める

厳しい寒さの中に、徐々に近づいて
くる春の気配が使われている
言葉に感じられるこの頃。

とはいえ、もっとも寒さが
際立つ日とされているため、
白装束で滝に打たれたり、
薄着で海に入ったり、
氷点下の早朝に武道の寒稽古や寒修行
などの耐寒の行事が全国で行われて
いる様子が、この時期の風物詩として
テレビ画面に映し出されるのを
観た方も多いのでは。

菊正宗 生もと 蒸米

寒の内に汲んだ水を「寒の水」と呼び
、雑菌が少なく、傷みにくいとされ、
大寒の朝に汲み上げた水を納屋に
保管する習慣の地域もあるようです。

なかでも、
「寒の入り(小寒の初日)」から
9日目に汲んだ「寒九の水」は
薬になるほど良質で、
酒造りにおいて最高の酒が
できるといわれるほど。

また、大寒の風物詩のひとつに
「寒仕込み」があります。

この時期の凍てつくような寒さを利用
した“凍り豆腐”や“寒天”“酒”“味噌”
などを仕込むのに、もっとも良い時期。

とくに菌の繁殖が少なく長期保存に
向いている“寒の水”でつくった酒、
味噌、醤油は腐りにくい
との言い伝えもあります。

江戸の昔より、
寒づくりで名を全国に広めた灘の酒。

菊正宗では、極寒のなか、昼夜を
いとわず作業工程が続く生酛づくり
をはじめ、数多くの旨い酒の
仕込みがピークを迎えています。

寒い時期ならではのお楽しみ「ワカサギ釣り」。

冬の風物詩として話題となる
のが、ワカサギ釣り。

徳川将軍に霞ヶ浦のワカサギを年貢
として納めたことから公儀御用魚
とされ、漢字で「公魚」と書きます。

1年を通して釣れる魚ですが、産卵期
の脂がのった冬から春が漁獲シーズン
で、なかでもとりわけ、大寒の頃が
釣りに最適なシーズンです。

ワカサギといえば、
「氷上ワカサギ釣り」が有名です。

北海道の阿寒湖や網走湖をはじめ、
福島県、岩手県、群馬県、長野県
などの分厚い氷に覆われた湖面に
穴をあけ、釣り糸を垂らして
釣るシーンは有名です。

東海以南のエリアの湖では、
ドーム船に乗り込んで、
船底に空いた穴から釣り糸を
垂らす「遊漁」が人気。

氷上釣りの場合は
しっかりと防寒対策をとり、
トイレの位置確認などを怠りなく。

ドーム船の場合は、
暖房設備やトイレが備わっている
ことも多く、ファミリー層や
デートスポットに大人気だとか。

釣り上げたワカサギは、小振りで骨が
柔らかいので丸ごと食べられます。

天ぷらやフライ、唐揚げなどのほか、
鮮度のいいワカサギは刺身でも
食べることができるとのこと。

この季節だけの旬の美味しさ
を堪能したいものです。

竹中缶詰わかさぎ

“釣りには行けないけれど、
ワカサギを食べたい”という方は、
菊正宗公式ネットショップで
「天の橋立 わかさぎ
(わかさぎ油づけ)」
をお求めください。

新鮮なワカサギを風味そのままに、
オイル漬けにしたものです。

身が大きめで、
しっかりとした食感です。

淡水魚特有のさっぱりとした風味が、
海の魚とはまた違った美味しさを
感じさせてくれます。

このほか、真イワシをはじめ、
燻製かきやホタテ貝柱、ハタハタ、
ホタルイカ、ししゃもなど、
新鮮な魚介をオイル漬けにした
シリーズは、京都・宮津の
「竹中缶詰」の製造によるものです。

「竹中缶詰」は、ブランド名にも
なっている“天橋立”や丹後半島周辺
で最大の港“宮津港”に隣接しており
、原材料の鮮度は申し分なし。

また、「竹中缶詰」でつくられる
缶詰は、テレビの情報番組やグルメ
雑誌など取り上げられるほどで、
缶詰マイスターが“日本一美味しい”
と太鼓判を押すほどの絶品。

ぜひこの機会にご賞味ください。

厳しい寒さがつくり出す、
かずかずの冬の美味しさ。

四季の織りなす恩恵を味わいながら、
自然への感謝は
持ち続けたいものです。

大寒1

日本酒づくりと六甲おろし。

“六甲おろし”は、言わずと知れた阪神タイガースの応援歌。

“六甲おろしに 颯爽と…♪”。

熱狂的な阪神ファンだけでなく、
アンチファンの耳にも残るメロディー
と歌詞は、プロ野球12球団の中でも、
トップクラスの広く知られた曲です。

この力強い応援歌に後押しされた
阪神タイガースですが、
昨シーズンは最下位という結果に。

広島カープがリーグ3連覇を果たし、
CSを勝ち上がった
福岡ソフトバンクホークスが
日本シリーズを制しました。

ヤクルトスワローズ・山田のトリプル
スリー(3割30本30盗塁以上)の
史上初3回目の達成や
“甲斐キャノン”と呼ばれ、
流行語大賞にノミネートされた
福岡ソフトバンクホークスの
キャッチャー・甲斐の強肩など、
何かと話題に事欠かない
シーズンでした。

野球に限らず、ロシアW杯で活躍した
大迫をはじめとする世代交代が
上手く機能したサッカー日本代表
「森保ジャパン」の快進撃や、
世界を舞台に戦えるレベルの選手層が
厚い卓球やバドミントン男女の活躍、
女子水泳の池江璃花子の史上初アジア
競技大会日本選手6冠達成、
その巧みなテクニックが神技と
称されるボクシングの井上尚弥、
プロテニスの錦織圭、大坂なおみなど
、各スポーツ界に天才肌の選手が
続々と登場しています。

努力と根性でその技術を高める、
いわゆる“体育会系”が主軸であった
各種スポーツ界に、突然変異的に
登場する“時代の寵児たち”。

欧米人と比べて体格的に劣る日本人
ですが、環境や食生活、
科学的なトレーニングに加え、
もともと秘めていた才能やセンスが
開花していったように感じます。

その突然変異の発端をさかのぼって
みると、野球のイチロー、競馬の武豊
、サッカーの中田英寿などに見出す
ことができるのではないでしょうか。

さて、お話を
「六甲おろし」に戻しましょう。

漢字で“六甲颪”と書きます。

“おろし”とは、
山から吹き下りてくる滑降風で、
冷たさが特徴です。

「○○おろし」と呼ばれる“○○”
には吹き下ろされる山の名が冠される
ことが多く、“八甲田おろし”
“浅間おろし”“富士おろし”
“比叡おろし”など、“おろし”の名
を持つ滑降風は全国に点在します。

「六甲おろし」は、その名の通り
六甲山系から吹き下りる
北風のことを指しています。

応援歌「六甲おろし」の歌詞から
伺える“苦境に負けずに
勝利をつかみ取る”感は、
現在のトップアスリートには
そぐわないのかも知れません。

六甲おろしが、旨い日本酒を造る。

灘五郷の酒造りは、その名を全国に
知られる酒造好適米「山田錦」と
醸造に適した名水「宮水」という
類い稀な好条件が揃っていること
に加え、冬の厳しい「六甲おろし」
も大きく影響しています。

灘は昔から寒造りが主体で、年間
を通してもっとも寒い季節を選んで
酒の仕込みが行われている地域です。

あえて低温下で醸造することで、
雑菌の繁殖を抑えて酒質を
より一層高めることが、その名を
一躍全国に広めることとなりました。

さまざまな自然の恩恵が、
全国に認められる旨さを造り出して
いることにほかなりません。

菊正宗では、極上の高級酒
「治郎右衞門」「嘉宝」の仕込みを、
厳しい六甲おろしが吹く
この寒い季節に行います。

2019年の年末に限定販売する
「治郎右衞門」「嘉宝」は、手間ひま
をかけ、現在、仕込み真っ最中。

 

 

スポーツの世界と酒造の世界、
めざすのは同じく、“巧い”と“旨い”。

今年も美酒に酔いしれる
瞬間が目白押しです。

日本酒の「鏡開き」は、レッキとした神事。

本番に向けた、失敗しない鏡開きの準備。

松の内、成人の日が過ぎ、お正月気分
もぬけたこの時期ともなると、
いつもの普段通りの生活に戻って
おられることと思います。

お正月にどこかへ出かける用事もない
ため、寝正月を決め込み、テレビの
新春バラエティ特番を観ている中、
ふと感じた疑問。

いくつかのバラエティで番組最後に
豪華俳優陣&タレントによる
鏡開きが行われ、
“今年も佳い年でありますように”
と司会者が締めくくるシーンが
画面に映し出されていました。

一般的によく行われている鏡開きの
タイミングは、祝宴最初の乾杯の前。

司会者の誘導に沿って
“よいしょ!よいしょ!よいしょ!”
と参列者が唱和し、
3度目の掛け声で壇上にいる方々が
木槌を振り下ろします。

結婚式などの場合は、司会者の
“ご結婚おめでとうございます”
に合わせて鏡開きを
行うこともあるようです。

では、テレビの特番では、
なぜ最後に行われるのかというと
…鏡開きそのものに“華”があるため、
番組最初の新年の挨拶あたりに
やってしまうと、その後の
コーナーがかすんでしまいます。

そこで、番組の最後に山場を
持ってくる“締め”の役割として、
印象の強い鏡開きを持ってくるという
番組構成が行われているようです。

準備する菰樽(こもだる)の
サイズの目安は、参加者100名様
につき1斗樽(=約18ℓ)。

100名~200名の方が参加する
パーティーだと、2斗樽で十分乾杯
できるお酒は行き渡ります。

200名以上の大規模な場合には
4斗樽をご用意されるのが
良いでしょう。

祝宴が始まる前に菰樽を会場に
運び込み、あらかじめ壇上に
セットしておきます。

その際の注意点は次の通りです。

● 壇上の安定した場所を選び、
銘柄を正面に向けてセッティング。

● 立縄を鏡(酒樽の上蓋)
に沿って切り、上部のくちかがり縄を
取り外します。

● 上部に飛び出た菰は、酒樽と
くるんでいる菰の間に巻き込んで、
鏡と高さをそろえます。

その際、上当て紙をのけた後、ササラ
で鏡や溝のゴミを取り除き、タオルで
鏡の上を丁寧に拭いておきましょう。

※ おめでたい席なので、できる限り
“切る”という作業を行わず、
取り外す、巻き込むなどに務めます。

● 二番輪
(樽を締めている二番目の箍(たが)
)に、しめ木を当て木槌で叩いて、
全体に2㎝ほど下げます。

● 一番輪
(樽を締めている上部の箍(たが))
に、しめ木を当て木槌で叩いて、
鏡部の締め付けを緩めておきます。

…と、準備はここまで。

あとは本番開始を待つばかりです。

 

鏡開きの作法と口上。

 

鏡開き本番です。

鏡開きの演出には、シーンに応じた
いくつかの作法があります。

まずは
「セレモニーとしての鏡開き」。

これは結婚式などでよく目にする
方法で、現在の主流がこの演出です。

鏡開きの準備が整った後、
さらに鏡板を先に外しておき、
それを樽の上に乗せておきます。

本番になり、新郎新婦お二人で1本の
木槌を持って軽く叩いて開くことで、
ケーキカットのような
おめでたい演出になります。

また、木槌や金ベラに紅白のリボン
を結びつけることで、より一層、
手元の華やかな演出も可能に。

鏡が開いたら、
ハッピを着込んだサポート
スタッフがお手伝いをします。

みなさんがもっとも多くイメージ
する鏡開きは、木槌を振り下ろす
「豪快な鏡開き」でしょう。

豪快な鏡開きを行う際は、
事前に鏡板が盛り上がって来るまで、
木目に沿って前後左右を
木槌で叩いておきます。

これは鏡が半分割れた状態にして
おき、本番、軽い力で豪快に
酒しぶきが上がるようにするため。

鏡を開く人数は1人から
4人程度が最適です。

あまり多くの人数だと壇上が
混み合い、樽を囲むことで、
他のお客様にお尻を向けてしまう
ことになってしまうからです。

この方法は、お酒がこぼれるため、
事前に必ず、主催者や会場の
了解を得ておく必要もあります。

「おごそかな鏡開き」は、
鏡開きをする作業者が、
会場で鏡板を取り外し、
高く持ち上げて鏡開きが無事完了
したことをお知らせする方法です。

酒の中に木屑やゴミが入らないよう
に鏡板を上手く取り除き、高く持ち
上げて“おめでとうございます”と、
ひと声かけて本番終了です。

鏡開き後は、酒樽に浮かんだ木屑
などを網杓子で丁寧に取り除き、
宴会場をワゴンで回って、
樽酒を振る舞います。

お米から造られる日本酒は古来より
神聖なものとされ、神事を営む際に
神様に供えられ、祈願が済むと
参列者に振る舞う風習があり、
鏡開きは祈願の成就を願うと
レッキとした神事です。

また、鏡開きの前に唱える口上の
一例をご紹介しておきます。

東西東西(とざいとうざ〜い)、
只今より○○○様の○○○を祝し鏡開き
を行わせて頂きます。

そもそも、鏡開きの御(おん)儀式は
三百有余年の昔徳川四代将軍家綱が
戦(いくさ)に備え、諸大名一門郎党
を千代田の城に参集せしめ、先祖の
具足甲冑の御前(おんまえ)で、
お鏡を飾って出陣の舞を舞い
祝宴を致しました。

これが鏡開きの始まりでございます。

このめでたき御(おん)儀式を
本日の○○○に際し、とり行う事は
○○○様の門出を一層華やかにする
ものと存じます。

○○○様によりまして
首尾良く鏡が開きましたなら、
拍手喝采の程御願いたてまつります。

平成○○年○月○日
(新元号になったら、新しい元号に)

口上を唱える際は、
堂々と恥ずかしがらずに、
少々間違えても口ごもらず、
仰々しく大きな声で発声する
ことがポイントです。

華やいだ場の雰囲気づくりに
もってこいの鏡開き。

おひとついかがですか。

宅配便にてお届けできない商品です
のでご用命はお近くの酒販店に
お願いいたします。