甘酒は、江戸のベストセラー飲料。

 

美肌づくりを後押ししてくれる
栄養補助飲料「甘酒」。

2011年、突如として塩麹ブームが
日本中に巻き起こりました。

テレビの料理番組では
塩麹を使ったレシピが紹介され、
スーパーの棚には
塩麹の調味料が並び、
本屋では塩麹のレシピ本や
料理雑誌の塩麹特集の文字が
躍っていました。

このブーム、麹料理研究家が
火付け役とも言われていますが、
塩麹そのもののブームは
約1年ほどで沈静化。

しかし、これがキッカケとなり、
麹の効能が見直され、
ブームは静かに続いています。

改めて考えてみると、醤油や味噌、
そして日本酒…日本は“麹”に
支えられていることに気づきます。

甘酒もそのひとつといえるでしょう。

 

甘酒は、その製法によって
大きく2つに分けられます。

● 麹由来の製法

麹菌による酵素の力で
米の澱粉をブドウ糖に、
タンパク質をアミノ酸に分解。

麹菌が生産する機能性成分を
余すところなく摂取できる。

<主な栄養成分>
ブドウ糖、アミノ酸、オリゴ糖、
ビタミンなど

 

● 酒粕由来の製法

酒粕を水溶し、
砂糖添加により甘さを調整。

酒粕が有する機能性成分を
余すところなく摂取できる。

<主な栄養成分>
ビタミンB2、B6、ナイアシン、
葉酸など

それぞれ栄養成分は異なりますが、
注目したいのは、
どちらも美肌づくりに効果の高い成分
がさらに含まれる点です。

麹由来甘酒に含まれる
「エルゴチオネイン」は、
肌のキメを整える美肌効果が認め
られて“飲む美容液”と称され、
酒粕由来甘酒に含まれる
「α-EG」は、保湿効果に加え、
肌細胞のコラーゲン密度を高める
効果が判明しています。

昨今の美肌ブームの影響もあって
甘酒人気は急上昇しています。

麹由来の甘酒はもともと、
栄養補助成分が豊富に含まれており、
その成分が似ていることから
“飲む点滴”ともいわれ、
酒粕由来の甘酒にも
清酒醸造で利用されなかった
タンパク質(難消化性蛋白質)や
食物繊維(難消化性でんぷん)が
ギュッと濃縮されているため、
摂取した脂肪やコレステロールを
体外へ排出したり、
整腸作用が期待できるなど、
非常に優秀な自然食品といえます。

菊正宗では、
このふたつの良い所をひとつに
まとめた「大吟醸deあま酒」を
2018年9月3日に販売。

大吟醸麹と大吟醸酒粕を
使っているので、
やさしい甘さとスッキリした後味、
滑らかな舌触りが特長の
甘酒に仕上がっています。

お疲れ気味の身体への
エネルギーチャージとしても、
ぜひお試しください。

甘酒は、夏の風物詩。

ところで、現代では、甘酒というと、
酒粕をお湯で溶いて
砂糖とおろし生姜を加えた、
身体の芯から温めてくれる冬場の
飲み物という印象が強いのですが、
昔は夏の飲み物として定着し、
俳句の夏の季語にもなっています。

江戸時代、暑気払いや夏バテ防止に
甘酒は飲まれていました。

夏の暑い盛りに、甘酒売りが
江戸の往来を売り歩く姿が夏の風物詩
として文献に残されています。

江戸中期の小林一茶の
「一夜酒 隣の子迄 来たりけり」
という句があります。

「一夜酒(ひとよざけ)」は
甘酒のことです。

一説によると、
冬の仕込みが終わった酒蔵が、
閑散期の夏場に一晩で醸造できる
甘酒(一夜酒)を造って
販売したといわれています。

冷えた清涼飲料水などなかった昔、
貴重な甘みに江戸の庶民は夏の楽しみ
として甘酒を嗜み、
また夏バテにも効果テキメン
であったことも幸いして、
人々の暮らしに融け込んだ様子が
うかがえます。

ところが、江戸初期には松尾芭蕉が
「寒菊や 醴造る 窓の前」
という句を残しています。

醴は“あまざけ”と読みますが、
寒菊は冬に咲く花。

結論から言うと、当初、
甘酒は年中飲まれていたようで、
夏バテに効くという効能から、
次第に夏の飲み物として
定着していったようです。

そろそろ秋の足音が聞こえ始める季節
となってきましたが、
猛暑で酷使した身体を整えるのに、
きりっと冷えた甘酒はいかがですか。

生もとは、代々伝わる菊正宗の深い“味わい”。

 

生酛の伝承は、老舗ならではの使命。

一般的な見地として、
現存している世界最古の国が
「日本」ということをご存知ですか。

日本の建国は紀元前660年、
初代天皇を紀元とした場合でも
4世紀までさかのぼります。

2番目に古いとされる
デンマークの建国が10世紀頃なので、
日本はダントツに
古い歴史を持つ国といえます。

長い歴史を持つ
日本だからこそですが、
長寿企業の数も世界一の
「老舗大国」。

世界最古とされる日本企業の創業は、
なんと578年。

「金剛組」という宮大工の会社で、
四天王寺(大阪)の建立に携わった
金剛重光により創業されました。

日本は島国で、他国からの影響を
受けにくいという地の利の元、
仕事に手を抜かずに
一途に打ち込む勤勉な国民性が
企業の存続を支えてきました。

“暖簾に磨きをかける”
という言葉がありますが、
社風やブランド、商品、社員を育て、
それを良い状態で
次の世代に渡すことが“美徳”。

この考えが、
多くの老舗企業の根底にあります。

その中で、
酒造業を営む老舗企業の歴史は、
おおむね約300〜400年。

菊正宗も
老舗のひとつに名を連ね、
約360年もの歴史を刻んでいます。

 

そして…
創業当時の造り方を
今に受け継ぐのが、
「生酛(きもと)」です。

「一麹(いちこうじ)、
二酛(にもと)、
三造り(さんつくり)」
の二番目にあたる
“酒母造り(酛/もと)”の工程で、
菊正宗では昔ながらの“生酛”
を取り入れています。

酒母造りは、麹菌によって
米から生成された糖をエサに、
酵母を大量に培養する工程ですが、
酵母以外の雑菌にとっても、
糖は大好物。

そこで、
雑菌を駆逐するために
必要なのが乳酸の働き。

この乳酸を得る方法として、
「生酛」「山廃」「速醸」
の3種類いずれかの方法をとります。

 

 

 

時代の流れで、
「変わるもの」「変わらないもの」。

「生酛」は、江戸時代に
丹波杜氏が確立した手法で、
昔の日本酒造りに
欠かせない工程のひとつでした。

仕込みの初期の段階は、
半切り桶(小振りの平たい桶)に
蒸米、麹、水を入れ、
「山卸(やまおろし)」
という工程を行います。

“酛踏み
(もとふみ/足で踏んですり潰す)”や
“酛摺り
(もとすり/木の櫂ですり潰す)”
によって丹念にすり潰すことで、
雑菌が繁殖しやすい
水や空気溜まりを
なくすのが目的です。

この作業はかなり過酷で、
寒いさなか数時間置きに
夜通し行う重労働です。

この後、
酒母タンクにひとつにまとめて
表面を平らに整える
「酛寄せ」を経て、
「打瀬(冷やす)」
「暖気入れ(温める)」
工程での温度管理によって、
蒸米の糖化を促すと同時に、
蔵や木桶などに棲む
乳酸菌が大量に自然増殖。

乳酸が雑菌を駆逐した所で
清酒酵母を投入。

清酒酵母が増殖するに伴って
造り出すアルコールが、
乳酸菌を死滅させます。

まさに微生物の世界では、
群雄割拠する
“武将”の覇権争いが行われた
戦国時代の様相を
呈しているようです。

ちなみに、
過酷な山卸を廃止したのが
明治初期に取り入れられた
「山廃仕込み」。

“山卸廃止酛”を略した呼び名で、
最初から酒母タンクに仕込み、
麹の酵素で蒸米を溶解させ
乳酸菌の増殖をうながします。

その後の工程は生酛と同じ手順。

さらに「速醸酛」は、
明治末期に登場した方法で、
現在の主流の製法。

人工的に乳酸を加えるため、
仕込みに要する期間は約2週間。

生酛や山廃が
約4週間程度かかるので
期間的にも約半分
ということになります。

 

 

では、菊正宗はなぜ、
手間ひまをかけた
生酛にこだわるのか

…ひとこと、

“旨い”からにほかなりません。

生酛が確立された江戸時代は、
化学的な知識もなく、
温度管理ひとつとっても勘に頼る、
職人の世界。

多くの失敗を繰り返しながら、
経験を積み重ねて磨き上げた“技”が、
時を経た今も
「生酛」として高い水準を保っている
ことには驚くばかりです。

旨さは、伝承された技法と科学の結晶。

昔ながらの造りを、科学がささえる“仕込み”。

長い歴史を重ねる海外のワイナリーが舌を巻くほど、日本酒の醸造は、複雑で繊細です。

酒造り工程の大切さを説いた言葉に、「一麹(いちこうじ)、二酛(にもと)、三造り(さんつくり)」というものがあります。これは、酒造りでもっとも大切なのが“麹造り”、次が“酒母造り(酛/もと)”、そして“醪(もろみ)造り”ということを言い表したものです。

まずは麹づくり。蒸米に、日本酒づくりに適した黄麹菌(きこうじきん)を付着させると、菌が増殖しながら米の中心に向かって菌糸を張っていきます。繁殖する過程の中で、さまざまな酵素を生成し、その酵素の働きで澱粉をブドウ糖に糖化させるのです。

そして次の工程が、酒母づくり。“酒の母”の文字どおり、酒母とは酵母を大量に培養する工程で、生酛造りでは酵母を大量に培養する前に乳酸菌による乳酸発酵の工程が加わります。酵母の種類によって、味や香りはもちろん、お酒の質にも大きく影響。とくに香りは酵母による影響が大きく、“香りは酵母から”といわれるほどです。

最後がアルコール醗酵のメインステージの「醪(もろみ)」ですが、日本酒造りの特徴ともいえる「段仕込み(三段階に分けた仕込み)」が行われます。段階に分けて、酒母に麹、蒸米、宮水を加える仕込みの工程です。初日は「初添え」。休みを一日はさんで酵母をゆっくりと増やし、三日目は「仲添え」。そして四日目となる最終日の「留添え」で仕込みは完了。段仕込みは、乳酸によって雑菌の繁殖を抑えながら酵母を増殖させ、醪(もろみ)の適切な温度管理を行う独得の方法といえます。

糖化を促す麹菌、アルコールに分解する酵母、雑菌を寄せ付けない乳酸菌…微生物が日本酒を美味しく醸しています。

醸造酒の醗酵工程は、太古から変わらない。

仕込み終わった醪(もろみ)は、14~20日間かけて熟成。その間、15℃前後に保たれた醪(もろみ)は、表面の泡の状態をさまざまに変化させながら、旨さを蓄え、美味しいお酒になる日を待ちます。熟成された醪(もろみ)のアルコールは19%近くにもなり、じっくりと醗酵する過程で、さまざまな旨味成分や香りが生まれ、より深い味わいを醸し出します。醸造酒としては世界一高いアルコール濃度に到達します。

そして…圧搾機で搾られた新酒は、濾過(ろか)されたのち、「火入れ(約60〜65℃に加熱)」されます。この“火入れ”は日本酒にとって、とても大切な工程。お酒の中でまだ生きている酵母を殺し、酵素の活動を止めることで、お酒の劣化を抑えるとともに、酒質を安定させます。

通常、火入れが行われるのは、濾過後と瓶詰め直前の二回。火入れせずに出荷されるお酒が「生酒」で、できたてのフレッシュな味わいが楽しめる反面、とてもデリケートなので、開封後は早めに飲み切ることが大切です。

 

古代日本では、神事の際に「口噛み酒」というものが造られていました。巫女が米を口に入れて噛み、壷に吐き出して貯蔵。唾液に含まれている酵素の働きで澱粉が糖化し、野生の酵母によりアルコールが生成された、れっきとした醸造酒。これと同じことが、南米やアフリカなど、世界各地の先住民族の間で行われていました。

科学などの概念がない太古の昔に、醸造酒を造るメカニズムと同じ技法が使われていたことは、一種のロマンを感じずにはいられません。

暦上の立秋は、まだまだ猛暑真っただ中。

立秋を境に、暑中から残暑に。

2018年の立秋は、8月7日。

暦の上では秋となりますが、
猛暑はまだまだ
納まりそうにありません。

とくに今年は、西日本を中心とした
暴風雨による水の被害や
日本各地での記録的な猛暑が
続いていることから、気象庁より
“異常気象の年”であると
発表されました。

日中の暑いさなかのお出掛けは
控え目に、十分な水分補給を
お心掛けください。

「立秋」は二十四節気
(にじゅうしせっき)の十三番目で、
夏至(十番目)と秋分(十六番目)の
ちょうど真ん中にあたります。

期間を表す場合、立秋は、次の節気の
「処暑(しょしょ)」の前日の
8月23日までとなり、
“夏が極まって、
秋の気配が立ち始める頃”
とされています。

二十四節気は元々、古代中国で
季節を細かく区分するために
使われたものです。

季節感のずれを感じるのは、
古代中国の内陸気候と、
時代的な気温変動等によるものです。

日本気象協会が2011年に
いまの日本の気候に合わせた
新しい二十四節気をつくる準備委員会
を設けましたが、反対の声が多く、
中止となるほど言葉そのものへの愛着
が浸透しているようです。

各節気をさらに約5日ずつ
3つに分けた七十二候
(しちじゅうにこう)
という区分もあり、
こちらは日本の季節に準じた
意味に解釈されています。

・  初候 / 涼風至る
(りょうふういたる)
…涼しい風立ち始める

・ 次候 / 寒蝉鳴く
(ひぐらしなく)
…ひぐらし鳴き始める

・ 末候 / 蒙霧升降す
(のうむしょうこうす)
…深い霧が立ち込める

なんとも文学的な表現で、
ほかの七十二候も併せ読んでみると、
それぞれの季節を豊かに
感じることができるので、
ぜひ一読ください。

夏の挨拶の定番とされている
「暑中見舞い」も、
この日を境に「残暑見舞い」
となります。

 

酒蔵の熱い闘いは、約2ヶ月先。

毎年、立秋の頃の話題いえば、
夏の甲子園。

高校球児達が額に汗して、
白熱した熱い闘いに感動もひとしお。

記念すべき100回大会となる今年は、
順当に勝ち上がってきた強豪校が
ひしめいており、新調された三代目の
深紅の大優勝旗をめざした熱戦が
早くも繰り広げられています。

 

 

ちなみに、この甲子園球場に、
ほど近い西宮浜一帯に
湧き出ているのが、
灘五郷の酒造りに欠かせない名水
「宮水」です。

江戸時代後期から、
『良質な味わいの酒』と
名を馳せた“灘酒”は、
この宮水があってこその賜物。

最初は“西宮の水”と呼ばれていた
ものが、いつの日か略され
宮水と呼ばれるようになりました。

この暑い時期、
酒蔵は秋の仕込みに向けて、
すみずみまでキレイに清掃され、
一年の感謝を込めて
磨き上げられます。

酒蔵の熱い闘いがはじまるのは、
あと2ヶ月ほど先のこと。

約ひと月後には、
今年の「ひやおろし」の販売が
予定されています。

今年の“ひやおろし”も
格別のでき栄えです。

ご期待ください。

 

それから…8月8・9・10日は、
「白桃の日」。

“8(は)” “9(く)” “10(とう)” の
語呂合わせにより制定されました。

白桃の食べ頃は7月から9月で、
ちょうどこの時期が美味しい盛り。

ちなみに日本の桃の原産は、
岡山の白桃とされています。

ここで、
桃を使った日本酒カクテルを
ひとつご紹介します。

氷を入れたグラスに、
菊正宗 生貯蔵酒 を「6」、
市販のピーチネクター を「4」
の割合で注ぎます。

桃の果肉を一片添えれば、
清涼感あふれる
甘いカクテルのできあがり。

一度お試しください。

 

朝の涼しい時間帯に墓参りに出掛け、
高校球児達の活躍を
涼しい部屋でテレビ観戦。

もちろん、傍らには
至極の冷酒や桃の日本酒カクテルを
お忘れなく。

お酒の体系は、ひとつの流れに。

 

酒類の根っこは、醸造酒にあり。

酒類は、その製造方法によって

大きく「醸造酒」「蒸留酒」の2つに分類され、

そこに手を加えた「混成酒」が位置づけられます。

 

  • 醸造酒…穀物や果実を酵母によってアルコール醗酵させて造った酒

日本酒、ビール、ワイン、紹興酒など

  • 蒸留酒…原料を醗酵させた醸造酒を、さらに蒸留して造った酒

ウイスキー、ブランデー、焼酎、ウォッカなど

  • 混成酒…醸造酒や蒸留酒に、果実や香料、糖質を加えた再製酒

梅酒、リキュール、シェリー酒など

 

おおまかによく例えられるのが、
ホップを加えていないビールを
蒸留したものがウイスキー、
ワインを蒸留したものがブランデー、
日本酒を蒸留したものが米焼酎です。

これは、あくまで原材料ベースの理論上のお話で、それぞれの酒類製造には、ぎゅっと濃縮された研究成果が詰め込まれて個性あるお酒が造られています。

「蒸留酒」は、水とアルコールの沸点の違いを利用して、純度の高いアルコール成分を抽出したお酒です。
まず、醸造後に加熱して、水よりも沸点の低い(約78℃)アルコール成分のみを蒸発させます。
この蒸気を集めて冷やし、アルコールを多く含んだお酒を抽出するのが蒸留工程です。
そのため、一般的に醸造酒よりアルコール分の高いお酒が多いとされ、有名な蒸留酒の中にはアルコール分95%以上というものもあります。
アルコール分を高めるため、蒸留工程を70回以上繰り返しているとのこと。
高いアルコール分を造り出すための、蒸留工程の多さに圧倒されるばかり。

 

まず、醸造酒が造られてから、

蒸留酒になり、

また混成酒もそこから生まれると考えると、

酒類の源流は醸造酒にあるようです。

 

世界中に類を見ない複雑な製造工程、それが日本酒。

ひとくちに「醸造酒」といっても、
醗酵工程がそれぞれ異なります。

ワインは「単醗酵」、
ビールは「単行複醗酵」、
日本酒は「並行複醗酵」
の製造工程を行っているのが
大きく違うポイントです。

ワインの原料となるブドウには
単糖類が含まれているので、
糖化工程が不要。
そのまま酵母を加えて醗酵させ、
ワインを醸造します。
ビールは澱粉を糖に分解する糖化と、その糖を酵母により発酵させる工程を別々に進行させます。

そして日本酒。
原料となる米には糖分が含まれていないため、麹の酵素を利用して、米の澱粉をブドウ糖に“糖化”させるのと同時に、酵母の働きによりブドウ糖をアルコールに変化させる“醗酵”を同じタンク内で並行して行っています。
そのため、日本酒の製造工程は、世界中に類を見ないほど、複雑で高度な技術を要するといわれるほど。

フランスやイタリアのワイナリーから、その複雑な日本酒の醸造を学びに来日し、技術水準の高さに惚れ込んで、杜氏になった外国の方もいるとのこと。

“技術者”の揺るぎない探究心は国境を越え、本質に迫る…
そこに新しい伝統が生まれる足音が聞こえてきます。