美味しさを凝縮した酒蔵の「酒粕」を使った「粕汁」に舌鼓。

「酒粕」は、栄養バランスのとれた機能性食品。

秋の強い日差しも和らぎ、
時折吹く風に肌寒さを
感じるようになったら、秋から冬の
気圧配置に変わり始めた兆しです。

ちょうどこの時期辺りに解禁となる
酒造メーカーの「酒粕」が
大好物の方にとっては、待ちに待った
この上ない季節の到来ともいえます。

日本酒の醸造過程でできる
「酒粕」には、米、麹、酵母由来の
機能性成分が濃縮された状態で
豊富に含まれています。

豆腐の副産物の“おから”に
栄養素が多く含まれ、
バランスのとれた食材とされているのと
同じようなイメージ。

エイジングケアや健康志向が
高まる昨今、
情報番組で身体に良いとされる
さまざまな発酵食品が
取り上げられるなか、
“飲む点滴”ともいわれる
「あま酒」が紹介され、
時期を同じくして話題となったのが
「酒粕」の効能です。

「酒粕」に含まれている栄養素は
実に多く、なかでも注目したいのは、
レジスタントプロテインと呼ばれる
タンパク質。

筋肉などの体組織をつくる一般的な
タンパク質とは異なり、
胃腸では消化されにくい性質があり、
豊富な食物繊維と一緒に、
整腸作用を促します。

それにより余分な脂質の排出を
助けることで、肌荒れ等の原因となる
便秘の解消はもちろん、
ダイエット効果への期待も高まります。

併せて、麹菌の醗酵によって
米のデンプンから生成される
オリゴ糖が腸内細菌を増やすことで、
こちらも整腸作用の期待大です。

また、醗酵によってつくられる
ビタミンB群やアミノ酸が
豊富に含まれているのも
「酒粕」の特徴のひとつ。

ビタミンB1は、
糖質をエネルギーに変え、
疲労回復を図る成分。

美肌効果を期待できるビタミンB2、
酵素の働きを助けるビタミンB6、
エネルギーをつくり、たんぱく質の
代謝に必要なパントテン酸も
多く含有しています。

さらに、肝臓の抗酸化力を高めて、
活性酸素を取り除くとされるペプチド、
肩こりや頭痛、冷え性などの症状を
緩和する血管拡張作用がある
アデノシン、糖の吸収を抑える
難消化性デンプン、
脳梗塞や動脈硬化の原因となる
血栓を溶かすプラスミノーゲンなど、
まさに「酒粕」は、栄養素の
バランスがとれた機能性食品
といっても過言ではありません。

「酒粕」の美味しさを引き立てる、さまざまな料理レシピ。

この「酒粕」を簡単に摂るのは、
やはり「あま酒」です。

水800ccを鍋で沸騰させ、ひと口大に
ちぎった酒粕100gを鍋に入れて
火を止めて、10分ほどそのままに。

鍋の酒粕が柔らかくなったら、
中火にかけて、
酒粕がしっかり溶けるまでかき混ぜ、
沸騰させます。

沸騰したら、砂糖75g(大さじ5杯)と
塩ひとつまみを入れて全体になじませ、
ひと煮立ちしたら完成。

濃いのがお好みなら、水の量を減らす、
甘いのが苦手なら砂糖の量を減らす
など調整して、お好みの味に。

また、「酒粕」を使った
“粕床”でつくる粕漬けもおすすめです。

酒粕500gに日本酒50cc、味噌50g、
砂糖60g(大さじ4杯)、
塩15g(大さじ1杯)を混ぜ合わせ、
清潔な漬物容器に入れます。

その“粕床”に魚や肉、野菜、チーズ
などを漬け込んで、さまざまな
粕漬けを楽しむのも一興。

ポイントは、塩を振った下処理。

塩を振って、素材から出てくる水分を
キッチンペーパなどで拭き取り、
“粕床”に漬け込むことです。

魚や肉は、2〜3日漬け込み、
表面の粕を拭って焼きます。

粕は焦げやすいので、
必ず弱火で調理しましょう。

野菜の塩処理は、
好みの大きさに切った野菜を
ポリ袋に入れ、塩を多めに振った後、
塩が全体に行き渡るように揉み込みます。

こちらは2〜3日冷蔵庫で寝かせて
取り出し、水洗いせずに
キッチンペーパーで
しっかり水分を取ります。

それから“粕床”に漬け込んで
2〜3日が食べごろです。

こちらは火を通さず、
漬物としてご賞味ください。

さらに、「酒粕」レシピで
人気なのは「粕汁」。

関西では冬の定番料理のひとつですが、
それ以外の地域では、
あまり知られていないという話も。

調理法は意外と簡単。

出汁チャンコに
「酒粕」を溶かし込むイメージで、
醤油ベース、味噌ベースどちらも
美味しくいただけます。

ポイントは出汁に「酒粕」を加えて
煮込んだ後、醤油や味噌で
味を整えるだけ。

入れる具材も、魚の切り身や豚肉、
鶏肉に、根菜系の野菜、こんにゃく、
油揚げ、しいたけなどをお好みで。

身体の芯から温まる
コクのある美味しさは絶品です。

いつもの豚汁や鮭の入った
白味噌仕立ての石狩鍋などに
「酒粕」を溶かし込むだけで、
いつもとはひと味違う美味しい鍋に。

この冬、
ぜひチャレンジしてみてください。

日本酒蔵元の「酒粕」は、
限界まで搾ると雑味の要因になるため、
酒米を醸造した時の重量比で約25%。

日本酒のコクや風味がほどよく残った
しっとりとした「酒粕」。

また、「あま酒」も飲み切れる飲料缶で、
お好みに合わせて3種類をラインナップ。

さらに、
「菊正宗 酒蔵のかす汁(関西の味)」は、
お一人様でも楽しめる
野菜を中心としたレトルトの
「粕汁」をご用意しました。

この冬は、いつもと違う
味わい深い美味しさをご堪能ください。