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今年の「可惜夜」の解禁日は11月11日。美味しく仕上がっています。
平安や江戸の流行り言葉は、当時のインフルエンサーによって創造されました。
2017年に登場して以来、
今年で8年目を迎える、
日本酒「可惜夜」の解禁日は
11月11日です。
菊正宗が手がける
「可惜夜」の最大の特徴は、
酒質や精米歩合、
日本酒度、甘辛度など、
すべて“謎”に包まれている点で、
唯一明かされているのは
“嘉納会特A地区産の山田錦を
100%使用”という事実のみです。
これは、既存の銘柄や
酒質への先入観から解放され、
日本酒本来の美味しさを
純粋に楽しんでほしいという
“魅せる菊正宗”を
テーマにした遊び心のある
新たな試みといえるでしょう。
ミステリアスな
「可惜夜」の風味について
少しだけ触れると、
口に広がる深い味わいとともに、
すっきりとした
フルーティな香りが鼻に抜け、
最後には
上品な余韻が楽しめる酒質に
仕上がっています。
純米酒なのか?
それとも吟醸酒なのか?
実際に味わって
謎解きに挑戦してください。
「可惜夜」の名前は、
平安中期に編纂された
「後撰和歌集」で、源信明が詠んだ
“あたら夜の 月と花とを おなじくは
あはれしれらむ 人に見せばや”
という歌に由来します。
現代文では
“惜しいばかりのこの良夜(あたらよ)
の月と花を 同じ見るなら
情趣を分かってくれる人 あなたにも
見せて 一緒に味わいたいものだ”
という意味です。
そして、秋の夜長に
美しい夜がいつまでも続いてほしい
という願いが「可惜夜」の
3文字に込められています。
「可惜夜」のような情景を表した
文学的な美しい言葉は、
他にも多くあります。
恋人や友人との別れの名残惜しさから
別れ際に突然降り出した雨のことを
“遣らずの雨(やらずのあめ)”、
秋や冬の晴れた日に、
常緑樹の葉が光を浴びて
照り映える情景を表現した
“照葉(てりは)”、
秋の澄んだ空気の中で、
風が木々の間を吹き抜ける音や、
その情景をさす“爽籟(そうらい)”、
夜明け前の静寂や未練を象徴する
“残んの月(のこんのつき)”、
冬の終わりや春先など、
まだ寒さが残る時期に見られる
繊細で儚い薄く張った
氷の美しさを表現した
“薄ら氷(うすらごおり)”
などなど。
古くから、
自然の景色や四季の移ろいを歌にする
和歌や俳句などを詠む文化とともに、
こうした表現方法が広まりました。
和歌(五七五七七)や
俳句(五七五)などの
限られた文字数の中に、
自然の情景描写や自然や
人の営みの中に宿る儚さ、寂しさを
短い単語に置き換えた
日本独特の比喩的な表現は、
その音の響きも含めて魅力的です。
平安の貴族や歌人が開いた歌会、
江戸の俳諧師、浮世絵師、
劇作家など、流行の表現は
弟子や門弟による口伝や
書き写し手本の流通などによって
広まっていったとされます。
今でいうSNSの
インフルエンサーのような存在です。
平安に清少納言や紫式部が
用いた表現は、現在のZ世代が使う
“エモい”“映え(ばえ)”
“ぴえん”“草”などと
同じだったのかも知れません。
また、「可惜夜」も、
“Atarayo”を冠した音楽グループが、
YouTubeなどで“雫”“夏霞”
“晴るる”など情緒豊かな歌を
披露しています。
意外と若い世代ほど、
昔の古い表現に新しさを見出す感性が
備わっているのかも知れません。
冬の可惜夜250本限定販売です。
11月5日からご注文を受け付けております。
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