下処理がキモの「タケノコ」。食べれば分かる、“旬”ならではの美味しさ

春の「タケノコ」はひと味違う。独特な香りと歯ごたえに“旬”を感じて。

下処理がキモの「タケノコ」。

食べれば分かる、
“旬”ならではの美味しさ。

「タケノコ」の美味しい季節となりました。
「タケノコ」は常備野菜のひとつとして
水煮の真空パックや缶詰などで
1年を通して食べることができますが
独特の香りとほのかな甘み、
歯ごたえのある食感を楽しむのなら
これからが“旬”の生の「タケノコ」に
勝るものはありません。

一般的にスーパーや八百屋店頭に並ぶ品種は
孟宗竹の「タケノコ」で、
2月下旬頃に九州での収穫から始まり、
サクラのように“タケノコ前線”が
東北エリアまで北上。

5月頃まで「タケノコ」の“旬”が続きます。

美味しい「タケノコ」を選ぶ際の注意点は、
いくつかあります。

まず、穂先が黄色っぽいものを選ぶこと。

穂先が土から出ていると
光合成によって緑色に変色し、
「タケノコ」特有のエグ味が増します。

黄色い穂先は、土から出ていない印です。

同じように、表皮が黒かったり、
緑色がかったりしたものも
日に晒された時間が長いため、
エグ味が強くなります。

そして、根元の切り口は白っぽく
瑞々しいものを選びましょう。

収穫してから時間が経過したものは
水気が抜け、アクにより茶色に変色します。

「タケノコ」は、“湯を沸かしてから掘れ”
といわれるほど、鮮度が重要視されます。

だからこそ、お店で買った後は、
なるべく早く下処理を済ますことが大切です。

「タケノコ」の表面についた土を流水で洗い流し、
外皮を2枚ほど剥がした後、
アクの多い穂先を数センチ切り落とします。

「タケノコ」がヒタヒタになるくらい
水を張った鍋に、「タケノコ」の重さの
1割くらいの量の米ぬかを入れ、
落し蓋をして、中火で約30分茹でます。

米ぬかがない場合は、
お米の最初のとぎ汁で代用してもOK。
竹串がスッと刺さるくらいになったら
茹で上がり。

そのまま常温で5時間ほど冷まします。

その後、米ぬかを洗い流して
残った表皮を剥けば、下処理完了です。

下処理の終わった「タケノコ」は、
タッパに水を張って、蓋をして浸けておきます。

水は毎日取り替え、保存期間は約1週間。

水に浸けたら、「タケノコ」の
風味が水に溶け出すため、
できるだけ早くお召し上がりください。

 

「タケノコ」を掘る機会があれば、是非試したい「タケノコのお刺身」。

もし、この“旬”の時期に、
「タケノコ」を掘る機会があるようなら、
是非お試しいただきたいのが、
「タケノコのお刺身」です。

掘ったばかりの「タケノコ」を
さっとゆがいて薄く切り、ワサビ醤油で。

小振りの「タケノコ」は、
アルミホイルで包んで、
焚き火でそのまま焼きます。

こちらはダシ醤油でいただくと、
新鮮な風味を楽しめます。

ここで注意したいのは、
「タケノコのお刺身」を大量に食べないこと。

生の「タケノコ」には、シュウ酸、
タキシフィリンが含まれています。

シュウ酸はアクの成分のひとつで、
摂取しすぎると尿路結石を
引き起す恐れがあります。

また、タキシフィリンは分解されると
シアン化水素という有害物質になるため、
中毒症状を起こす原因となります。

アク抜きによりシュウ酸の量が減り、
調理時の加熱によりタキシフィリンを減らすので、
調理した「タケノコ」については、
より安全に味わえるということになります。

さて、お店で買って下処理を済ませた
「タケノコ」の料理として、
まず思い浮かぶのは、“タケノコご飯”でしょうか。

油揚げを入れて、酒と醤油、みりん、和風ダシを
入れた炊き込みご飯は、
“旬”を味わうにはうってつけ。

また、“タケノコと油揚げのうま煮”も
オススメです。

他の煮物をつくる要領で、
こちらにも「タケノコ」と
相性の良い油揚げを入れて煮込みます。

鰹節を入れるとより風味が増し、
深い味わいとコクが楽しめる料理です。

火を止めて1回冷ますことで味を
「タケノコ」に浸透させることが
美味しさの秘訣といえます。

シャキシャキ感のある歯ざわりと一緒に、
「タケノコ」の独特な風味が味わえるのは、
“旬”のこの時期だけ。

「タケノコ」料理と旨い冷酒で、
春の陽気をお楽しみください。

春が“旬”の「鰆(サワラ)」。さっぱりとした淡白な味わいが魅力です。

「鰆(サワラ)」の“旬”に敏感なのは、釣り人たち。

テレビのクイズ番組や
漢字検定の影響もあって、
ここ数年続いている
難読漢字への興味は、
まだまだ続きそうな気配です。

難読漢字といえば、
“魚へん”の漢字が書かれた湯飲みを
寿司屋や自宅の食器棚、
田舎のおばあちゃんの家…
どこかで見たような
昔の記憶が蘇ります。

「鯛(タイ)」
「鮭(サケ)」
「鰻(ウナギ)」
「鰯(イワシ)」など、
よく目にする漢字なら
即答できるものの、
「魳(カマス)」
「鰈(カレイ)」
「鰒(フグ)」などは、
途端に記憶が怪しくなります。

魚につきものの“旬”を意識して、
“魚へん”に春夏秋冬の
それぞれの漢字を当てた時の読みは、
意外と難読です。

「鰆」はサワラ、
「鰍」はカジカ、
「鮗」はコノシロ。

残念ながら、“魚へん”に
夏を組み合わせた漢字はなく、
「魚夏」という熟語でワカシと呼び、
出世魚ブリの40センチ以下のサイズの
呼び名です。

これは関東圏だけの呼び名らしく、
それ以外で地域では
“魬(ハマチ)”のことを指します。

“魚へん”に四季が
組み合わせられているということは、
当然、その魚の旬は当てはめられた
季節と予測できますが、
スーパーの店頭で、賑やかに季節を
告げるほどのメジャーな魚
という訳でもないようです。

さて、今回はこの中から、
ちょうど今の時期、
春が旬の「鰆(サワラ)」を
取り上げます。

「鰆(サワラ)」はサバ科の回遊魚で
北海道南部から沖縄にかけての
広い範囲で、
“旬”の時期以外でも
水揚げされているようです。

とくに最近は温暖化の影響による
海水温の上昇に伴って、
日本海側で多く水揚げされており、
2019年(平成31年/令和元年)の
漁獲量1位は福井県で、
京都府、石川県、福岡県、長崎県と
続きます。

「鰆(サワラ)」が
スーパーなどの店頭に並ぶのは、
もっぱら切り身。

というのも、
体長約60センチ以上が
「鰆(サワラ)」の標準サイズで、
大きいものでは
1メートルを超えるものもいるため、
捕獲されたままの姿で
店頭に並ぶ機会は稀のようです。

ちなみに、60センチ以下のものは
“サゴシ”と呼ばれる出世魚。

そんな「鰆(サワラ)」に
一喜一憂するのは全国の釣り人たち。

「鰆(サワラ)」の
釣りシーズンともなると
餌となるカタクチイワシの
群れを追って、
日本の沿岸近くまで回遊してくる魚を
狙います。

突堤や防波堤から釣れるのは
60センチ未満の
「鰆(サワラ)」に成長する前の
“サゴシ”サイズが多く、
「鰆(サワラ)」を釣るのなら、
船からのルアー釣りが基本のようです。

肉食大型魚で性格は獰猛そのもので、
ルアーにかかってからの
魚の引きの強さは
釣り人たちにとって醍醐味のようで、
シーズンともなると、
より大きな「鰆(サワラ)」を狙って
数多くの釣り人たちは
海のスポットへと向かいます。

釣り上げた「鰆(サワラ)」の
歯は鋭く、
その名前の由来となった
“狭腹(さはら)”にもあるように、
細く平たい体型が特徴的な魚です。

 

「鰆(サワラ)」の“旬”は、年2回。味わいも異なります。

いきなり前言撤回となりますが、
実際に「鰆(サワラ)」の“旬”は、
春と秋の年2回。

まずは、春の“旬”。

関西を中心とした海域では、
5月〜6月頃、
産卵を控えた「鰆(サワラ)」が
瀬戸内海へと回遊して来ます。

この時期の「鰆(サワラ)」は、
さっぱりとした味わいで淡白、
身は柔らかく、
煮付けよりは味噌を使った西京焼きや
竜田揚げで食べられています。

関西では、
真子(卵巣)や白子(精巣)も、
一緒に食べられるのも特徴です。

そして、11月〜翌年2月の
秋冬の“旬”は関東の海域。

この時期に
産卵を控えた「鰆(サワラ)」は、
雑食気味でイワシやサンマを食べて、
産卵のための栄養を蓄えます。

そのため脂がのった
濃厚なこってりとした味わいが
“寒鰆(カンサワラ)”の特徴です。

これは、
太平洋から瀬戸内にかけて
回遊するものと
東シナ海から日本海を回遊するものの
生息域が異なるため。

同じ種類の
「鰆(サワラ)」なのですが、
関東圏以外は春、
関東圏は秋から冬が“旬”
とされています。

また、「鰆(サワラ)」の身は白く、
白身魚のようですが、
成分的には赤身魚に分類されています。

「鰆(サワラ)」は、日常的に
食卓に上がる魚ではありませんが、
この時期の店頭には必ず並ぶ
季節を告げる魚のひとつです。

まずは春が“旬”のさっぱりとした
味わいを楽しんでみましょう。

そして、その味わいを
記憶の端にとどめておいて、
秋から冬に出回る濃厚な味の
“寒鰆(カンサワラ)”を食べて、
その違いを試してみませんか。

春の「鰆(サワラ)」には、
すっきりとした冷酒、
秋冬の“寒鰆(カンサワラ)”には
燗酒がおすすめです。

満を持して「大阪中之島美術館」がオープン。期間限定で、菊正宗収蔵の北野恒富作の美人画を展示。

基本構想から約40年。
稀代の収蔵品を誇る「大阪中之島美術館」が開館しました。

「大阪中之島美術館」が
2022年(令和4年)2月2日に
オープンしました。

1983年(昭和58年)の
大阪市制100周年記念事業の
基本構想のひとつに
“近代美術館の建設”という議題が
上がってから39年。

具体的には2013年(平成25年)の
市の戦略会議で、文化芸術の
重点エリアである中之島に、
2021年(令和3年)度
開館をめざした
新しい美術館を建設することが
決定し、新型コロナ禍による
建設工事の停滞をカバーしながら、
約1年遅れでの開館に
こぎ着けました。

「大阪中之島美術館」が建てられた
大阪中之島エリアは、
大阪キタの繁華街の喧騒を
南に抜けたオフィスビルと
歴史を感じさせる風格のある建物、
行政拠点、文化施設が混在する
閑静な地区です。

都会のど真ん中でありながら、
堂島川と土佐堀川に挟まれた
緑がいっぱいの
リバーアイランド(中洲)は、
大きな空間を実感できる
開放感あふれる憩いの場
となっています。

そんな景観に溶け込むどころか、
ひと際異彩を放つ
黒くて大きな立方体の建物は、
むしろ日本を代表する
アート拠点として
その存在感を主張するランドマーク
ともいえる風貌です。

ここ「大阪中之島美術館」
開館のキッカケは、
“山本發次郎コレクション”
の一部が遺族により
大阪市に寄贈されたことで、
美術館構想の出発点です。

それから約40年間の準備期間の中で、
“田中徳松コレクション”
“高畠アートコレクション”など
稀代の蒐集家たちの
コレクションの中から数多くの作品が
寄贈されたのをはじめ、
2010年(平成22年)に休館した
サントリーミュージアム天保山からの
ポスターコレクションの寄託、
優秀なキュレーター(学芸員)による
買い付けなど、時間をかけて
6000点以上にものぼる収蔵品を充実。

そこには、建物よりも
充実したコレクションを築くという
基本的な方針があり、
収集にあたって、さまざまな独自の
視点テーマが設けられていました。

そしてそのひとつに
“大阪と関わりのある
近代・現代美術のコレクション”
という視点もあるなど、
特徴的なテーマの企画展に
期待も高まるばかりです。

「大阪中之島美術館」の
こけら落としとなる開館記念
「Hello! Super Collection
超コレクション展
-99のものがたり-」を開催。

モディリアーニやダリ、マグリット、
ジャコメッティ、ユトリロなど
世界を代表する作家を始め、
佐伯祐三、前田藤四郎、島成園など
日本作家のさまざまな
アート作品など、お披露目を意識した
珠玉の約400点が展示され、連日、
多くの来館者で賑わいました。

 

“みんなのまち 大阪の肖像”に、菊正宗収蔵品が出展。

開館記念展
「Hello! Super Collection
超コレクション展
-99のものがたり-」に引き続いて、
4月9日〜7月18日に開館記念特別展
“モディリアーニ
愛と創作に捧げた35年”、
7月23日〜10月2日に、
“展覧会 岡本太郎”
が開催されます。

そして、この両展と同期間の
約半年にわたって開催されるのが、
開館記念展
“みんなのまち 大阪の肖像”。

大阪と関わりのある
近代・現代美術のコレクションという
個性豊かな独自視点が発揮された、
まさに「中之島美術館」ならではの
“大阪”をテーマにした
気概を示す展覧会が
早々に開催されたといえるでしょう。

この開館記念展
“みんなのまち 大阪の肖像”では
絵画、写真、ポスターを始め、
多岐にわたるコレクションを中心に、
大阪府市内外の博物館・美術館や
企業などからの出品を加え、
大阪の魅力を広く深く掘り起こすのが
根底に流れるテーマです。

具体的には、
水都・大阪を描いた作品や
戦前のレトロポスター、
大阪を代表する有名画家などの作品が
一堂に会します。

「中之島美術館」からの
出展依頼にお応えして、
菊正宗収蔵の北野恒富による
大正から昭和にかけてつくられた
ポスター2点と、その元になった
美人画原画の合計3点が、
他の作品とともに
会場に並ぶこととなりました
(第1期:4月9日〜7月3日)。

とくに北野恒富の美人画原画は
圧倒されるほど大きく、
その筆致は驚くほど繊細です。

この原画は
菊正宗のミステリアスなお酒
「可惜夜(あたらよ)」のラベルにも
起用しているもので、
目の当たりにする
またとない機会です。

 

可惜夜(あたらよ)のご購入はラベル画像をクリック。

そして、4月23日(土)には、
北野恒富の第一研究者である
大阪大学教授・橋爪節也氏の
「描かれた大大阪
-近代都市景観と画家たち-」を
テーマにした講演会も開催されます。

大阪と北野恒富の深い関係性が
紐解かれるひとときとなりそうです。

菊正宗の収蔵品が、開館して間もない
「中之島美術館」の開館記念展に
出展できるのは光栄なことです。

また、過ごしやすい
春の気候に誘われるまま
歴史を重ねてきたアート作品を
観に出かけましょうか。

大阪中之島美術館HPへは画像をクリック。

 

「あさりの酒蒸し」には、日本酒を使うのが最適です。

丁寧な下ごしらえで、「あさり」の旨味を最大限に引き出すこと。

「あさり」は、3月から4月にかけて、
美味しい旬の時期を迎えます。

この時期は、
「あさり」の繁殖期にあたり、
産卵のために
栄養を身体に蓄えているため、
身がより大きく肉厚で、
豊かな旨味を楽しめる時期なのです。

毎年、潮干狩りのシーズンは、
この春の産卵期とともにやってきます。

また、関東以南に生息する
「あさり」は、
秋にも産卵期を迎えるため、
9月から10月にかけても
旬の味覚に数えられる
珍しい生態を持っている二枚貝です。

「あさり」は海水温が
20〜25℃になったあたりで
繁殖を開始します。

ところが、この温度がずっと
続いているときに繁殖は始まりません。

つまり、水温が急激に変化する
春と秋に繁殖状態になるというもの。

カラダを取り巻く温度変化が
キッカケとなって
敏感に反応し始める現象は、
桜が開花する“休眠打破”と
似ています。

ちなみに、「あさり」が
もっとも美味しいのは
繁殖直前の栄養を蓄えている
旬前半の時期とのこと。

さて、「あさり」を調理する前の
下準備は、かなり大切です。

ここで手を抜いてしまうと、
料理の仕上がりに
大きく影響を与えてしまいます。

その大切なポイントは “砂抜き”と
“ストレスを与える”の2つです。

まずは“砂抜き”。

スーパーなどのお店で購入した
「あさり」は、出荷前に
表面を洗ってあるので、
サッと水洗いする程度でOK。

その後、塩水にひたひたに浸して、
貝が生息している海の底の
暗い環境に合わせるために
新聞紙をかぶせ、約1時間。

潮干狩りで獲ってきたものは
表面が汚れているので、
貝をこすり合わせるように水洗いし、
同じように半日ほどおきます。

このときに浸け込む塩水は、
海水の塩分濃度に近い3%が最適。

これ、意外と大切なポイントです。

500㎖のペットボトルにキャップ2杯分
の塩(約15g)を加えるのが約3%の
濃度の目安なので、ご参考に。

素早く砂抜きをしたい場合は、
薄いパッドに「あさり」を並べて
50℃前後のお湯に浸すと
約15分前後で砂を吐かせる
時短方法もありますが、
その美味しさを
最大限に引き出すためには、
余裕を持った下ごしらえがオススメ。

この方法は、あくまでも
急いでいるときに利用ください。

続いて“ストレスを与える”です。

砂抜きが終わった「あさり」は、
すぐに調理したり、
冷蔵庫に入れて保存しがちですが、
このタイミングで、
浸っている水を抜いて、
少し濡らしたキッチンタオルをかぶせ
20℃前後の室温で3時間ほど
放置するのがポイント。

水を抜かれた「あさり」は
エラ呼吸ができなくなるため、
そのストレスから体内の
グリコーゲンをエネルギー源にして
生き延びようとします。

そのときに増加するのが
旨味成分の“コハク酸”。

ストレスを感じれば感じるほど
美味しさが増すというもので、
「あさり」の下ごしらえは、
これで完了です。

 

素材の旨さを味わうなら、まずは「あさりの酒蒸し」。残った煮汁は味噌汁に。

素材として「あさり」の
美味しさが引き出せたところで、
「あさり」の旨味を十分に
堪能するなら、「酒蒸し」がベスト。

これだと「あさり」の
シンプルな旨味をストレートに味わえ
何より調理が簡単なのが魅力です。

下処理の終わった「あさり」を
フライパンに並べ、
「あさり」が1/3ほど浸るまで
日本酒を回しがけ。

中火でコトコト、
浸した日本酒が沸くまで待ちます。

沸いたら蓋をして約2〜3分蒸し煮に。

「あさり」の口が開くのが、
ちょうど食べ頃サイン。

器に盛り付けて
小口切りのネギを振りかければ、
後は美味しくいただくだけ。

「あさり」の塩味があるので
調味料は不要ですが、
物足りないようであれば、
ひとつまみの塩をパラリと加えて
味の調整を。

「あさり」を食べた後の煮汁には
「あさり」エキスがたっぷり
溶け込んでいるので、
煮汁を捨てずに味噌汁に利用、
その美味しさを
もう一度味わってみましょう。

「あさりの酒蒸し」をつくる場合、
日本酒で蒸すのには理由があります。

まずは、貝特有の生臭さを
和らげる効果。

アルコールが蒸発する際の
共沸効果によって食材の臭い成分を
一緒に取り除くとともに、
お酒に含まれている有機酸によって、
素材の臭みを消してくれます。

また日本酒に含まれている糖類や
アミノ酸は加熱されることで、
上品な香りや風味を加える効果が
高いとされ、プロの和食料理人は
少なからず、この効果を上手く調理に
生かしています。

また、日本酒には食塩が
含まれていないため味がよくしみ込み
日本酒に含まれている糖分が、
タンパク質や水分と結びついて
食材をやわらかくします。

塩が含まれている料理酒の場合は、
塩の浸透圧によって
水分が外に抜け出して、
逆に食材がやや硬くなります。

今が旬の「あさり」の美味しさを
ストレートに楽しむのなら
「あさりの酒蒸し」が最適。

うまい日本酒と一緒に
春を楽しみましょう。

残った煮汁は、翌朝の味噌汁に。

二日酔い気味の身体を、
シャッキリと整えてくれます。

今年の4月1日。成人年齢が18歳に。家計を逼迫する値上げラッシュも。

成人年齢が20歳から18歳へと引き下げられます。

4月1日から、成人年齢が
20歳から18歳へと引き下げられます。

旧暦から新暦に変わった3年後の
1876年(明治9年)に、太政官布告で
“成人年齢は20歳”と定められ、
1890年(明治23年)の
旧民法に受け継いだものの
施行されないまま廃止となり、
実際に施行されたのは
1896年(明治29年)に制定された
民法でのことでした。

今回の成人年齢の定義が
見直されたのは、実に約150年ぶりの
歴史的な出来事といえるでしょう。

では、旧暦の頃の成人年齢はというと、
成人を祝うしきたりである
“結髪加冠の制”が定められた
飛鳥時代の683年(天武天皇11年)
にまで遡ります。

平安中期頃には、
男子は15歳前後で「元服」、
女子の「元服」である
“髪上げ”“眉払い”を
13歳前後で行って、それぞれの
成人になったことを祝う儀式が確立。

旧暦における成人年齢が
ほぼ定まった時期です。

そして、江戸へと時代が移る中で、
宮中行事から武家社会へ、そして
庶民へと広まって行きました。

もちろん宮中、武家、町人では
「元服」の行事内容は
大きく異なりますが、
大人になった自覚と責任を伴う
それぞれの儀式であったことは、
いうまでもありません。

さて、今回の成人年齢の引き下げで
大きく変わることのひとつに、
18歳になれば、親の同意を得ずに
契約が可能になることが挙げられます。

具体的には、クレジットカード、
スマホ、部屋の賃貸借、
物品購入ローンなど、
一人で契約が可能ということ。

これは、原則として
親の取り消しができなくなり、
大人としての責任が伴うことも
意味しています。

また、婚姻年齢が男女ともに18歳に
なることも大きな変化のひとつです。

これまでは、女性の婚姻年齢は
16歳からでしたが、
18歳に統一されたということです。

これ以外にも、
有効期間が10年のパスポートの取得
や医師免許の取得、
公認会計士・司法書士・行政書士の
仕事に就くことも可能になりました。

逆に、飲酒、喫煙、競馬・競輪・競艇
などの公営ギャンブルについては、
20歳未満は禁止のまま変わらないので
注意が必要です。

今回の成人年齢の引き下げの
議論が一気に進んだのは、
2016年(平成28年)の
公職選挙法の一部改正により、
“満18歳以上になれば選挙権を
有することになる”という内容の
法案施行によることが
大きいとされています。

ここで疑問がひとつ。

“成人式”をどう実施するのか
ということです。

こちらは現在検討されている
真っ只中。

18歳のみを対象年齢とする、
高校3年生の受験シーズンに実施、
2022年度は3学年の
同時実施を行うなど、
その選択肢はいくつかあり、
来年1月の実施に向け
議論されているところです。

 

生活に直結した値上げが家計を逼迫。工夫を凝らした家計管理が求められるところ。

さらに、4月1日は年度が変わる
節目でもあることから、
“値上げ”を予定している商品や
サービスが控えています。

しかし、4月だけにとどまらず
2022年度内に値上げされる商品や
サービスの数も、例年と比べて、
その数の多さに驚きを隠せません。

気掛かりなのは、家計への影響が
予測される生活に直結した
公共料金や各種公共交通機関、
そして食品の値上げです。

この背景には
原油価格の高騰をベースとした
製造コスト、輸送コストの
上昇に加えて、
原材料価格の高騰の影響があります。

ここ数年、
さまざまな商品の価格微増が続き、
それが大きく集中した結果が、
今年度の大きな値上げのピークへと
いざなった感は否めません。

また、
ロシアによるウクライナ侵攻に伴う、
経済制裁や輸出入の制限による影響で、
今後のさらなる価格上昇も
予測されるところです。

食品関係についても、
食パンや麺類、冷凍食品、食用油、
ハム・ソーセージなど、
値上がりしていない食品を挙げた方が
早いのではと思うほど、
多岐にわたっており、
約5〜15%前後の値上がりが
予定されています。

価格据え置きの場合でも、
内容量を減らして価格調整を
行っていることも。

ここは、特売日にまとめ買い、
スマホ決済のポイントの運用、
毎日買い物に出かけない、
外食回数を減らすなど、
工夫による賢い家計管理が
試される時なのかも知れません。

菊正宗でも、仕入れ価格の上昇に
伴って、「なら漬(瓜)」を
2022年4月1日より1,080円(税込)に
値上げさせていただきます。

値上げ対応の為、3月28日9時から
受注一時停止となるため、
現行の864円(税込)でお買い求めの方は、
余裕を持って3月27日までに
ご注文くださいませ。