
見上げる者の心に刻まれる、希望に満ち溢れた空翔ける青と白のコントラスト。
青空にスモークの軌跡を描く6機の編隊、それが航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」です。彼らの存在を一躍全国に知らしめたのが、1964年の東京オリンピック。開会式当日、ブルーインパルスは新宿の空に見事な五輪マークを描きました。寸分違わぬ精密な飛行によって一機ずつ円を形づくり、空中に現れた鮮やかな五つの輪。戦後復興を経て世界に向けて歩みを進める日本にとって、それは希望と誇りの象徴です。多くの国民がテレビの前で、あるいは競技場からその光景を見上げ、胸を熱くしました。

空に描かれた五輪は、ただの演目ではなく“平和の中で再び世界とつながる日本”の姿を象徴していたのです。その後もブルーインパルスは、万博や皇室関連行事など、国を挙げた式典やイベントで飛行を重ね、高度な技術と存在意義の両面で評価を高めてきました。スモークを噴きながら描く“さくら”や“キューピッド”は、鍛錬と信頼、そして日本人らしい精緻な美意識の結晶です。海外にも、アメリカの「サンダーバーズ」や「ブルーエンジェルス」、イギリスの「レッドアローズ」などの名だたるアクロバット飛行チームが存在します。歴史的には日本より古いのですが、ブルーインパルスはその精密な飛行と繊細な演目で国際的にも高い評価を受けています。
ブルーインパルスのパイロットは航空自衛隊の中から選ばれたエリートで、単に技量が高いだけでなく、広報活動の最前線に立つ“空の顔”としての自覚と誇りを持ち合わせています。

その役割が社会に強く印象づけられたのが、2020年の新型コロナウイルス感染拡大の時期でした。医療従事者への感謝とエールを込め、東京の空を飛行したブルーインパルス。多くの人が空を見上げ、涙し、拍手を送りました。また、2021年の東京オリンピックでも、1964年に続き開会式当日にブルーインパルスが登場。再び東京の空に五輪マークを描いたことで、56年前と現在が一つにつながるような感動が広がりました。変わらぬ技術、変わらぬ想い。それは時代を越えて、人々の心を揺さぶるものでした。一方、2025年の大阪・関西万博での展示飛行は、天候不良のため中止を発表。残念ですが、それはブルーインパルスの飛行が単なるパフォーマンスではなく、命をかけた本気の営みであることの証ともいえます。

その“本気”の姿を描いたドラマが、2013年放送の「空飛ぶ広報室」です。主人公は事故で空を飛べなくなった元パイロット。広報官として再び空と向き合う中で、“飛べなくなっても、空に希望を届けることはできる”という言葉にたどり着きます。これはまさに、ブルーインパルスの存在意義そのものです。また、“人の心を動かすのは、いつだって「誰かの本気」だ”というセリフも、彼らの飛行に込められた想いを見事に表しています。

ブルーインパルスが飛ぶとき、人々は自然と空を見上げます。その視線の先にあるのは、希望、誇り、そして未来。たとえ姿が見えなくても、空のどこかに彼らがいると知っているだけで、私たちは勇気をもらえるのです。ブルーインパルスが空を翔ける理由。それは、“この国の未来に希望を託すため”。だからこそ、彼らの飛行は時代を越えて、いつまでも私たちの記憶に残り続けるのです。
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