今年の「敬老の日」は9月21日。大切なのはお年寄りを敬う気持ち。

日本の昔話に欠かせない配役が、“おじいさん”と“おばあさん”。

その多くが
“むかしむかし、あるところに…”
ではじまる日本の昔話。

ここ10年くらいの間に、
子ども向けのお話
ということに配慮され、
微妙に変化していることを
ご存知ですか。

小さなお子さんの
おられるご家庭では、
その変化に気づいて
おられるかもしれませんね。

たとえば“桃太郎”。

犬、猿、キジは家来ではなく、
上下関係のない友人という設定。

キビダンゴも同行する褒美ではなく、
疲れた時に栄養補給を
するためのもの。

鬼ヶ島に向かう船を漕ぐのも、
桃太郎も含めて全員で
交替しながらの協力体制。

実際に鬼と闘うシーンでは、
失明の恐れがあるということで、
キジは目潰しではなく
手をつつく攻撃に。

持ち帰った宝物は、
元の持ち主に返すという、
要所要所の表現が
ややマイルド仕立てになっています。

こうした傾向は、
“桃太郎”に限ったことではなく、
“かちかち山”“浦島太郎”
“さるかに合戦”をはじめ、
“赤ずきんちゃん”など
海外の童話でも、
暴力的なシーンを中心に
書き換えられています。

これについては賛否両論ありますが、
昭和から平成後期まで
慣れ親しんだ昔話も、
実は江戸時代のものとくらべると、
かなりソフトな表現に
換えられているようです。

さて、
“むかしむかし、あるところに…”
に続く言葉といえば、
“おじいさんとおばあさんが
いました”が思い浮かびます。

この昔話に、なぜ、
おじいさんとおばあさんが
よく登場するのかということを調べ、
本にまとめた研究者がいます。

その研究者によると、
庶民が文字を使うことの
なかったような時代から
口伝により語り継がれてきた
昔話の語り部は、主に老人。

昔は農家ばかりで、
老人も大切な働き手に
数えられていました。

しかし、歳をとって
非力になった老人の
社会的地位は低く、
外で働けない分、
子守りをするのが
老人の仕事のひとつ。

夜の囲炉裏端で
自分の長い人生を交えて
話すうちに、いつの間にか
老人が配役されていきました。

娯楽がほとんどなかった昔のこと、
子どもたちは繰り返し話をせがみ、
その子どもが老人になって
同じように子どもたちへと
語り継がれたと
考えられるとのことです。

時代の流れとともに、
口伝だったお話がまとめられて
現在受け継がれている昔話として
書き綴られ、その表現スタイルも
時代とともに変化しているといえます。

 

「敬老の日」と酒米の王者「山田錦」は、発祥が同じ地域。

現在は「敬老の日」という
祝日が設けられ、
昔とくらべると、非力な老人にも、
少しはやさしい時代に
なったといえるでしょう。

この「敬老の日」ですが、
意外と新しい祝日です。

1947年(昭和22年)に、
兵庫県多可郡野間谷村で
“老人を大切にし、
年寄りの知恵を借りて
村づくりをしよう”という趣旨で、
9月15日に敬老会を開いたのが
「敬老の日」の発端
とされています。

その時の村長が、
翌年に“こどもの日”“成人の日”が
国民の祝日に制定されたことを受け、
“老人の日”の
祝日制定の活動を開始。

兵庫県下の各市町村への
呼びかけの結果、
1950年(昭和25年)に兵庫県が
“としよりの日”を定め、
そして1966年(昭和41年)に
「敬老の日」が国民の祝日として
制定されることとなりました。

もともと9月15日に
固定された祝日でしたが、
2001年(平成13年)の
ハッピーマンデー制度により、
現在の9月第3月曜日となり、
土日月の3連休に組み込まれました。

ちなみに、「敬老の日」発祥の地
である兵庫県多可郡は、
日本一の酒米“山田錦”発祥の地
としても有名です。

“山田錦”が誕生したのは
1936年(昭和11年)と、
酒米としては
古参の部類に入りますが、
いまだ日本最大の
生産量を誇る“酒米の王”。

ここ兵庫県多可郡の地は
「敬老の日」と「山田錦」の
発祥の故郷として、
どこよりも“温故知新”精神に
満ちあふれたやさしい土地柄を
感じさせてくれます。

今年の「敬老の日」は
9月21日(月)です。

菊正宗ネットショップでは、
山田錦で醸した日本酒を
数多く取り揃えております。

お年寄りへの感謝の気持ちを込めて、
味わい深いお酒をお祝いに
贈られてはいかがでしょうか。