
庶民の暮らしに寄り添ったアジ料理がもたらす、美味しさの可能性。
アジが美味しい季節です。海水温が20℃前後になる初夏に産卵期を迎えるアジは、たっぷりと栄養を蓄えて身に脂が乗ります。江戸時代からアジは、庶民に愛される大衆魚として広く親しまれてきました。鯛やヒラメのような高級魚ではありませんが、日常に欠かせない魚として、庶民の食を支えたのです。新鮮なものは高級魚に負けずとも劣らない旨みが豊富で、腕のある板前にとっても腕の振るいどころだったともいわれます。

アジは、日本全国の沿岸に広く分布し、一度に数万もの卵を産む多産性です。その味の良さから、“アジ”と呼ばれたとの逸話も伝わっています。ただ、漁獲量が多い反面、鮮度の低下も早く、江戸の魚河岸では干物にしたり、酢締めにするなどして売られていました。腕のある寿司職人が丁寧に酢締めにした“光り物”は、江戸っ子に愛された粋な寿司ネタだったようです。
時代の移り変わりとともに、“アジの開き”という干物文化も大きく花開きます。伊豆、沼津、房総など、漁獲量の多い地域では干物産業が大きく展開。昭和初期頃には朝食や弁当のおかずとして広く定着し、日本の朝に欠かせない定番メニューに成長しました。

そして、洋食文化が庶民にも普及し始める頃に登場したのがアジフライです。家庭での揚げ物や外食機会が増えるとともに、定着していきました。アジフライといえば必ずついて回るのが、“アジフライには醤油とソース、どっち?”論争。古くは、食通で知られる文豪・池波正太郎が“アジフライには醤油”とエッセイに綴るほど、こだわりたいことのようです。近年は、ポン酢派、タルタルソース派、レモンと塩派、生姜醤油派なども登場し、ますます賑わいを増しています。

そして、最近SNS等で話題になっているのが“ふわふわアジフライ”です。従来のように開きにはせず、厚みのある三枚おろしにして揚げます。その結果、表はカリッと、中はレアに近く、まるで刺身と揚げ物の中間にあるような独特の食感が魅力。もちろん鮮度のよいアジだからこその料理なので、人気店に足を運んで味わうのが賢明です。
また、菊正宗サイトの「簡単酒肴レシピ」でも、アジを使った豊富なレシピが紹介されています。揚げアジの野菜ソース煮、アジのベーコン巻き、アジの煮おろし、アジのステーキなど、料理ジャンルは和洋中を問わず、実にバラエティ豊かです。それぞれレシピと一緒に、相性の良い酒質も紹介しているので、ぜひチャレンジしたいところ。

大衆に愛された魚だからこそ、時代の移り変わりに寄り添うように柔軟にレシピも広がっていきました。アジという魚の魅力は、古くから続く庶民の食文化に根ざしています。初夏に旬を迎えてますます旨みを増すアジは、私たちの食卓に元気を運んでくれるに違いありません。
アジに相性抜群の『菊正宗 嘉宝蔵 灘の生一本・生酛純米』。
酒母米、麹米に酒造好適米を使用し、生酛特有のキレと、ふくらみのあるコクは、「灘の生一本」の名にふさわしい本流の辛口酒です。
キリっと冷やして、常温でまたは燗酒としてお楽しみください。
また、7月31日(木)まで1升瓶500円OFFクーポン配布中です!
ぜひこの機会をお見逃しなく!

菊正宗ネットショップはこちらから
▼https://www.kikumasamune.shop/