イチゴは、果物でなく野菜。日本は世界に誇るイチゴ生産王国です。

本来の“旬”であるこの季節にこそ味わいたいイチゴ。高級ブランド種は絶品です。

イチゴの美味しい季節です。

とはいうものの、
最近のイチゴが店頭に並ぶのは、
12月から5月にかけて
約半年間が旬とされる期間。

本来のイチゴの旬は
春先の5月から6月でしたが、
冬場に人工的な春をつくりだす
ハウス栽培の環境が整ったり、
酸味を抑えて糖度を高める品種改良を
重ねたおかげで、
甘くて美味しいイチゴを
長い期間楽しめるようになりました。

クリスマスケーキの時期に
イチゴ需要が爆発的に
高まることに応えるために、12月から
収穫されるようになりました。

一方、イチゴが収穫されない
6月から11月でも、なぜかイチゴが
上に乗ったショートケーキは
店頭に並んでいます。

このイチゴの多くは
海外産の輸入イチゴを使用。

併せて、北海道や東北地方、
長野県の“夏秋(かしゅう)イチゴ”
という涼しい地域で
生産される品種もシーズン外の
業務需要を担っているとのこと。

余談になりますが、
情報番組などでよく取り上げられて
ご存知の方も多いかもしれませんが、
毎月22日は
“ショートケーキの日”です。

その理由はカレンダーを
見れば一目瞭然。

22日の上は必ず15日、
つまり上に15(イチゴ)が乗っている
という洒落た理由からなのです。

旬とされる時期は長いものの、
やはり大量の美味しいイチゴが
店頭に出揃うのは本来の旬である
5月から6月にかけてのこと。

「とちおとめ(栃木)」
「あまおう(福岡)」
「紅ほっぺ/章姫(静岡)」
「さがほのか(佐賀)」などは、
流通の多いおなじみの品種。

約300品種以上あるイチゴの半数以上は
日本で品種改良したものです。

1粒5万円もの時価価格をつけた
「美人姫(岐阜)」は、
一般のイチゴの糖度が
10度ほどなのとくらべて、
13から16度と高く、
トマトと間違われるほどの
特大サイズ1粒が桐箱に入って
生産者から直接届く超高級ブランド。

このほか1パック数千円の
「スカイベリー(栃木)」
「さくらももいちご(徳島)」
「きらぴ香(静岡)」をはじめ、
変わり種の白い「パールホワイト/
真珠姫(奈良)」や薄いピンクの
「淡雪(鹿児島/佐賀/奈良/熊本)」
など、イチゴの品種登録の数は
現在もどんどん増えているようです。

ネットショップを通じて
生産者が直接販売する
流通ルートを利用して、
お好みのご当地イチゴを
気軽に食べられるようになったことも
品種が増え続ける要因の
ひとつなのでしょう。

イチゴの英語表記に使われる
“…ベリー”には、
“小さな多肉質の液果で、
食用となる果実”という意味があり、
ラズベリーやクランベリー、
ブラックベリー、ブルーベリーなど
ケーキの材料などに使われるものが
たくさんあります。

しかし、日本人の口にはイチゴが
格段に合うようで、
イチゴ需要はダントツです。

ちなみに、イチゴは園芸学上、
草の実であることから野菜に分類され
農水省の統計調査でも
野菜として分類されていることには
改めて驚きます。

美味しいブランドイチゴを取り寄せ、
市販のものと食べくらべてみるのも
面白いかも知れません。